共生社会をめざして

以前お配りしたビラ「子どもの貧困について」でもご紹介しましたが、タイの生命保険会社のコマーシャルには心を揺すぶられる作品がたくさんあります。「ケ セラ、セラ」(合唱編)という作品を動画ネットでご覧下さい。子ども達が「ケ セラ、セラ(なるようになるという意味)」という歌を合唱しているのを母親たちが見ている、それをカメラで撮ったというとても単純なコマーシャルですが、その子どもたちは皆、障害者です。(障害を持つ方、障がい者、障碍者等々、どのように言い表すか議論があります。いずれ障害者のご意見が反映され、障害者にご納得頂けるものに統一されるでしょうが、ここではそれについては触れません。公文書などの通り、障害者と書かせて頂きます)

また、かなり前のことですが、テレビで特別支援学校の子どもたちがお芝居を上演するまでのドキュメンタリー番組を観ました。そのお芝居は障害者への誤解と偏見をなくすことをテーマにしたお芝居でした。お芝居を稽古する過程で、ある知的障害の子どもが、自分が演じることになっている役をどうしてもやりたくないと泣いていました。その役というのは障害者を持つ子どもをいじめる、いじめっ子の役でした。泣いている知的障害の子どもはたとえお芝居でも人をいじめたり、傷つけたりするのは嫌だといって泣いていました。私はその子から、人にとって何が大切かをあらためて教えてもらいました。

さて近年は、障害の有無にかかわらず、国民が相互に人格と個性を尊重し安心して暮らせる社会を築く目的の「障害者総合支援法」、全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向け、障害を理由とする差別の解消を推進することを目的とする「障害者差別解消法」、あるいは「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」バリアフリー法等が制定され、障害者を取り巻く法整備は進みました。しかし気になることがあります。スーパーなどの駐車場には、社会の流れを受け身障者用の駐車スペースを設けていますが、そこに身障者ではない人が車を停めているというのをよく見受けます。これは米国などの諸外国では法律違反です。私はこのようなことに関して、罰則を科すことや罰金を徴収することを主な目的にするのではなく、障害者との共生を啓発するのを目的とするモラル条例(船橋市路上喫煙及びポイ捨て防止条例も罰則、罰金が主目的ではない)を提案していきたいと考えています。

民族や宗教、性別や年齢、障害の有無、そういうものを乗り越えて人と人がいたわりあえる共生社会を私はめざしていきます。