子どもたちが真の和解をするために

学校教育法第35条といじめ防止対策推進法第23条の4の積極適用

学校教育法第35条…「市町村の教育委員会は、(中略)他の児童の教育に妨げがあると認める児童があるときは、その保護者に対して、児童の出席停止を命ずることができる」

いじめ防止対策推進法第23条の4…「学校は、(中略)いじめを行った児童等についていじめを受けた児童等が使用する教室以外の場所において学習を行わせる等いじめを受けた児童等その他の児童等が安心して教育を受けられるようにするために必要な措置を講ずるものとする」

 令和3年度、千葉県内の公立学校で認知されたいじめは、都道府県別では全国ワースト3位の51,478件(前年度比11,248件増)でした。学校にいなくても行えるスマホによる「ネットいじめ」も深刻化していますので、これは氷山の一角である可能性が高く、潜在化しているいじめも多数あると思われます。

 令和3年のネットによる誹謗・中傷の認知件数は小・中・高校において21,900件(前年比3,030件増)となり、「ネットいじめ」も社会問題になっています。

 さて学校では、いじめ加害者にいじめ被害者へ謝罪させ、しばらく様子をみて、そこでいじめが再発していないようであれば、いじめは解消したと判断するのが通例です。

 しかしながら、これでは、いじめ被害者のいじめの再発への不安も、いじめ加害者が、いずれまたいじめを再開するかもしれない、もしくは、誰かをいじめるかもしれないという懸念は解消されません。

 私は、いじめ解消のためには、いじめ加害者に精神科医のカウンセリングを受けさせ、スクールカウンセラーは、その診断を参考に、他者への共感力を高めるトレーニングや怒りのコントロールのカウンセリングをするという、いじめ加害者に係るカウンセリング・プログラムの導入をすべきと考えています。

 併せて私は、いじめの現場である学校は、学校教育法第35条といじめ防止対策推進法第23条の4を積極的に適用することにより、いじめ被害者が安心して学べる環境を確保し、いじめ加害者がカウンセリング・プログラムを受ける時間と場所を確保したいと考えています。

 いじめ加害者がなぜ、いじめに至ったのか、その心理的・社会的問題を解決せずに謝罪のみで、いじめ解消とするのはいかがなものでしょうか。

 いじめ解消とは、子どもたちが真の和解をすることです。