平成24年度の本県における小学生の総数は32万9,632人、中学生の総数は16万5,610人でした。これが令和2年になりますと、小学生30万9,553人(2万79人減)中学生15万6,873人(8,737人減)に、それぞれ減少しました。児童生徒数が減っている最大の原因は、少子化によるものです。
しかしながら、本県における小・中学校の不登校児童生徒数は、平成24年度4,590人でしたが、令和2年度には7,850人と約1.7倍まで増えています。児童生徒の総数は減っているのに、不登校の児童生徒数は増えている。これは、教育現場では不登校の問題を解決できないことを示しています。
そのようなことから、私は船橋市に不登校特例校を設置したいと考えています。不登校特例校とは、学習指導要領の内容などにとらわれずに、児童生徒の実態に配慮した特別な教育課程を実施する学校で、正式名は「不登校児童生徒を対象とする特別の教育課程を編成して教育を実施する学校」です。フリースクールとは異なり、元の学校から転校でき、通常と同じ卒業資格が得られる学校です。
そして私は、9月26日の県議会・本会議における一般質問で、「本県においても不登校特例校を設置すべきではないか」という旨の質問をしました。さらに「県内市町村への不登校特例校設置の働きかけや、その際の県の財政支援や人材派遣等、様々な協力体制の検討」するよう要望しました。
これに対して県の教育長から「現在、県内に不登校特例校は設置されていないが、県教育委員会では、国の動向や他の自治体の先進事例等を市町村へ情報提供するとともに、設置を希望する市町村に対して必要な支援を行うなど、連携して取り組む」旨の答弁を引き出すことができました。
また、令和2年の文科省の不登校特例校調査結果によると、私立の年額授業料は、中学校は平均47万6,000円、高校は平均37万4,600円、授業料以外の納付金は平均29万4,000円と高額であるため、経済的負担が大きいという理由から入学を断念する児童生徒も少なからず存在するようです。私は県に対し「私立の不登校特例校の設置促進と、私立の不登校特例校に係る経済的負担の軽減策」も検討するよう要望しています。
今年の4月現在、全国には公立12校、私立9校、合計して21校しか不登校特例校はありません。そして残念なことに、本県には不登校特例校はありません。近所に学校があっても、様々な理由から不登校になっている児童生徒が、遠方の不登校特例校に長い時間をかけて通うというのは、現実的なことではありません。
船橋市は、児童生徒の総数が増え、不登校の児童生徒の総数も増えている市です。不登校特例校はできるだけ、通いやすいところにあるのが望ましいとの考えに基づき、私は船橋市に不登校特例校の設置を働きかけています。