先週の28日、九州北部を中心に、数十年に一度の、これまでに経験したことのないような大雨が降り、がけ崩れや河川の氾濫、冠水といった災害が発生し、悲しいことに尊い命も失われました。被害に遭われた皆様に心よりお見舞い申し上げますとともに、一日も早く平穏な暮らしを取り戻すことをご祈念致します。
一年のうち一番多く雨が降るのは梅雨時というイメージがありますが、実は九月が一番多く雨の降る月です。また台風シーズンといえば八月をイメージしますが、近年は九月に多くの台風が日本を襲うようになっています。そのようなことから台風や、近年多発するようになった豪雨等にも注意を払い、その備えをし、またいざという時のために、避難方法の確認やご家族との連絡方法なども、あらかじめお決め頂くようお願い致します。
高齢化の進展が全国一、二という我が県においては、昨今の災害における死者の半数以上が高齢者であることや、障害者の被害の確率が健常者の倍に達することを踏まえ、「自助」できない人たちをいかに救うかというのは大きな課題となっており、私はその課題を解決するよう、県議会で多くの提言をしています。
大規模災害が発生した際、避難に支援が必要な障害者や高齢者等は「避難行動要支援者」とされますが、東日本大震災では、特にこの「避難行動要支援者」を救えなかったという苦い経験を踏まえ、現行の災害対策基本法では、市町村に要配慮者の名簿作成が義務づけられています。そして現在、その名簿は全国の9割超の自治体で作成されています。しかしながら、個人情報の問題に係るため、本人の同意を得る必要があり、客観的にみて避難時に支援が必要と思われる人でも、同意の意思を示し名簿登録の手続きを取らなければ、助けにいけないという問題があります。この問題の解決のため、県内では千葉市は市が保有する避難行動要支援者の個人情報を、本人から拒否の意思表示がない限り、名簿登録し、その情報を消防職団員等に提供できるよう条例を制定しています。私はこの名簿作成方法で県内は統一すべきと、県議会で主張しています。
また名簿はできたとしても、消防職団員や市町村の担当者等の避難支援者や、避難経路などをまとめた具体的な避難計画は全国の市町村の約半数でしか策定されていません。要するに名簿に載っている人でも、いざという時に助けに行けるかわからないということです。私は支援にあたる人材確保と個別の避難計画の作成も急ぐよう、県を通して県内市町村に働きかけていきます。
令和元年9月1日(防災の日) 野田たけひこ