今から10年前の平成22年に、船橋市議会議員だった私は、千葉県の「土砂災害警戒対策事業」の遅れに危機感を抱き、船橋市から県に対して、事業を早急に進めるよう要望すべきだと市議会で提言しました。
そのきっかけのひとつになったのは、平成22年の大雨と平成23年の東日本大震災の際に、土砂災害が発生した船橋市夏見の被災箇所が、県が作成した土砂災害危険箇所のリストに含まれていなかったからです。
そして県議として初めて本会議場で登壇の機会を頂いた、5年前の10月7日の一般質問でも、県に対し土砂災害警戒対策事業を早急に進めることや、土砂災害危険箇所のリストから漏れていう箇所があることを指摘し、それに対する対策を講じるよう求めました。しかしながら、土砂災害危険箇所のリストから漏れている箇所が多数あることについて、県が対策を講じることは、これまでありませんでした。
その後も折りに触れ事業の進展を求める提言をし、その結果、事業に係る予算の増額や事業終了目標年次の前倒し等が実現しました。また昨年の12月県議会においては、土砂災害警戒区域の指定率が全国最下位の約36%であるものを、令和2年5月末までに約50%に、そして令和3年5月末までに100%完了させるという目標を立て、それに見合う予算と人材を確保するという県の答弁を引き出しました。ちなみに、私が昨年の春に住民からのご要望を頂き、県の土砂災害警戒区域の指定を受けることになった船橋市海神の箇所も当初、土砂災害危険箇所のリストに入っていませんでした。
昨年の台風19号では東北や関東を中心に21の都県で合わせて1,152件の土砂災害が発生し、20人の方がお亡くなりになりました。また千葉県では10月25日の台風21号に伴う記録的な大雨で、県内21箇所で土砂災害が発生し、4名の方がお亡くなりになっています。国交省によりますと、これらの土砂災害のうちの約4割は土砂災害警戒区域に指定されていない場所で発生したとのことです。
そのようなことからも、昨年の12月県議会では、土砂災害危険箇所のリスト作成にあたり、県内市町村との連携を求める提言をしました。県はそれを受け、市町村の防災担当者を集め、今年1月10日に「土砂災害の恐れのある箇所に係る情報共有の仕組みづくり」に関する意見交換会を実施し、今後、県は市町村から土砂災害危険箇所の情報を入手し、市町村との連携の下、対策を講じる体制をつくろうとしています。
また国交省も、近年の土砂災害における課題等を踏まえた土砂災害対策のあり方を検討するため、有識者等で構成する「土砂災害防止対策小委員会」を昨年12月24日に開催しました。この会議の答申は今年の5月か6月に公表される予定であり、その答申が千葉県の土砂災害警戒対策事業に資するものとなるよう期待しています。
私は県民要望の第1位である「災害から県民を守る」ため、今年も頑張ります。
令和2年1月19日 野田たけひこ