自転車が関係する交通事故について

 皆様は、自転車の悪質な交通ルール違反で、ヒヤリとしたご経験をお持ちではないでしょうか。

 「自転車は環境に優しい交通手段であり,災害時の移動・輸送や国民の健康の増進,交通の混雑の緩和等に資するものであることから,環境,交通,健康増進等が重要な課題となっている我が国においては,自転車の活用の推進に関する施策の充実が一層重要となっている。」とし、「自転車活用推進法」が平成29年5月に施行されました。 これを受け千葉県は、令和2年11月に「千葉県自転車活用推進計画」を定めています。

 しかしながら、自転車は道路交通法で「軽車両」と位置づけられており、道路を通行する時は、「車」として交通ルールを守ることになっていますが、交通事故全体に占める「自転車が関係する交通事故」の割合は6年連続で上昇し、昨年は23・3%(千葉県24・6%)で、統計を取り始めた平成15年(2003年)以降、最も高い割合でした。 船橋市では、平成28年、「自転車が関係する交通事故」が、495件(前年比55件増)で、翌年にはさらに前年を18件上回る513件でした。また、昨年全国で発生した「自転車が関係する交通事故」は6万9,985件(千葉県3,253件)で、そのうち「自転車が関係する死亡・重傷事故」7107件のうち、73・2%に自転車側の交通違反が確認されたそうです。

 私は船橋市で多発する事故に危機感を持ち、平成30年2月定例県議会で「自転車が関係する交通事故」の減少や防止、また賠償保険の加入促進を県警本部長に強く訴えています。

 これに対し、船橋警察署等は参加体験実践型の自転車安全教育等の取り組みを強化し、また昨年7月には「千葉県自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」が改正され、自転車損害賠償保険等への加入が義務化されています。

 道路交通法が改正され、今年4月から自転車利用者の乗車用ヘルメット着用が努力義務となりましたが、私はそれに先駆けて、令和2年10月の環境生活警察常任委員会においても、事故から身を守るために、自転車利用者のヘルメット着用の奨励を県警本部長に強く訴えています。

 また、近年よく見かける「電動アシスト自転車」の昨年の販売台数は約74万台(一般的な自転車は約55万台)で、自動車免許を返納した高齢者が利用するケースも増えているそうです。子どもを乗せるタイプの電動アシスト自転車の重量は30㎏近くもあり、親子で乗ると総重量が100キロを超えることもあって、歩行者とぶつかれば、重大事故につながりかねません。

 今年8月、警察庁は、自転車による重大な事故につながる悪質な交通ルール違反が減らないことから、自動車やオートバイのように、いわゆる「青切符」による取締りを行う反則金制度の導入を検討しようと、法律の専門家や自転車に関係する団体の代表等による会議を開いたとのことです。(ちなみに、現在の普通車の反則金は、信号無視違反で9000円、携帯電話使用等違反で1万8000円となっています。)

 私は「自転車が関係する交通事故」を減らせるならば、反則金制度の導入も致し方ないことだと考えます。