議員定数の削減について

私が属する船橋市議会の会派・民主党は、昨年の9月に開催された議会の定例会で、議員定数50を45に改めようとする「船橋市議会議員定数の一部を改正する条例」案を他会派と共同で提出しました。提案の理由は「楽観できない厳しい経済情勢を鑑みて、議会が率先して経費を削減する必要がある。加えて、本市より人口の多い千葉市が54人から50人に削減するなど、本県各市においても定数削減の動向がある。これが、この条例案を提出する理由である」です。そしてこの条例の施行は4月に実施される市議会選挙からでした。この議案を議会に提出する際、議員定数を45ではなく40まで削ろうという案もありましたが、以前、議員定数を40とする削減案が賛成少数で否決されたということもあり、削減数10では多くの議員の賛同を得るには難しいとの判断で削減数は5としました。また提案理由でも触れましたが、県内では千葉市が54議席を50議席へと、お隣の八千代市が32を28に、市原市が36を32に八街市が22を20に、前回の選挙で26を21にした銚子市はさらに21を19に、それぞれ削減しています。それもあり、多くの議員の賛同を得られるものと期待しましたが、結果は賛成少数による否決となりました。

千葉県議会でも同じです。県議会の「議員定数検討委員会」で議論がされました。民主党が現在の議員定数95を79にしようと提案しましたが、自民党はA案95(プラスマイナス0)、B案98(プラス3)、C案94(マイナス1)の3案を提案、議会で圧倒的多数を占める自民党の意向により、現状維持のA案となりました。その結果、県内に複数ある、いわゆる「逆転選挙区」の問題(銚子市の人口は約7万人で県議会議員の定数は2、印西市は約8万8千人で1)は解消できませんでした。

国会も同じです。一昨年の党首討論で、兄と当時の自民党の安倍晋三総裁(現総理)は1票の格差是正と議員定数削減について次期通常国会で結論を出す約束をしました。「来年の通常国会において、私たちは既に、私たちの選挙公約において、定数の削減と選挙制度の改正を行っていく、こう約束しています。今この場で、そのことをしっかりとやっていく、約束しますよ。」この安倍さんの発言は議事録に残っています。また民主、自民、公明3党は合意文書も取り交わしました。そしてこれは国民との約束でした。しかし、この約束が破られたのはご承知の通りです。

議員定数の削減に関して、市議会・県議会・国会のそれぞれの場で誰が削減に積極的で、誰が日頃言っていることとは違う言動や行動を示すのか、それをよく見極めて下さい。