責任ある政治

 衆議院選挙におきまして、多くの方々より野田よしひこにご支持、ご支援を賜り誠にありがとうございました。心より厚く御礼申し上げます。
 政治家は現役時代だけでなく、将来世代のことも考え、選挙で不利になろうとも正しいことは信念を持って、実行する責任があります。たとえば国の借金についてですが、基本的に借金は誰かがいつか返さなければなりません。
 借金でモノを買い、モノを使うのは親。そして親は、家計が厳しいから、家計がよくなったら借金についても考えようとはしているものの、結局、借金の支払いは子どもや孫だとしたならばどうでしょうか。そもそも、少子高齢化の進展で税金を収める人の数は減り、税金によって成り立つ社会保障などのサービスを受ける人の数は増えるのですから、それだけを考えても将来世代の負担が大変なのが計り知れます。また、農業従事者や漁業従事者の平均年齢は65歳を超えているのに後継者が極端に少ないなど、多くの産業で空洞化が起きています。
 また政府は「景気は緩やかに回復している」と言いますが、今や労働者の約4割がパート、アルバイト、派遣社員などの非正規労働者です。「緩やかな回復」も、結婚というささやかな幸せすらつかむのが難しい低賃金の人たちによって支えられているという現状があります。少子高齢化で労働人口も減り、それに合わせて経済規模も小さくなっています。そして景気は水ものですから、またいつ失速するかわかりません。景気回復を待って、財政健全化に取り組むというのではなく、やはり現役世代は将来世代への責任として、税負担を含めた財政健全化に速やかに取り組む必要があるでしょう。
 かつて、野田よしひこは2020年度までに、国と地方をあわせた基礎的財政収支を黒字にする財政健全化計画を立てましたが、驚くことにそれまで国では、いわゆる借金の返済計画すらありませんでした。そしてご承知の通り、安倍政権下では、財政健全化への努力はなされず、国の借金はついに1,000兆円を突破してしまいました。生まれたての赤ちゃんも含め国民一人当たり約845万円の借金がある世界一の借金国家です。財政健全化目標、財政健全化計画もまた新たに作り直さなければならないでしょう。

平成29年11月4日      野田たけひこ