今年の夏は気象庁の観測史上最高の暑さとなったことから、米の収穫量が気になるところです。
ちなみに千葉県の米の収穫量は、30年前の平成7年(1995年)には35万1,700トン、20年前の平成17年(2005年)は33万9,000トン、10年前の平成27年(2015年)は30万7,200トン、昨年は27万4,800トンというように収穫量は減少しています。
そして、今年の全国の米の収穫量について、農林水産省によりますと、8月15日現在における令和7年産水稲の収量の前年比見込みは、56万トン増(玄米ベース)としています。
都道府県別10アール当たりの収穫量では、静岡県が昨年を「上回る」、山形県や兵庫県など12府県が「やや上回る」予想です。新潟県や北海道など29都道府県は「昨年並み」、しかしながら、岩手県、秋田県、宮城県と千葉県の4県が昨年を「やや下回る」と見込まれました。ただし、この見込みは気象データや人工衛星データに基づいて予測されたものであり、あくまで収穫の総量の見込みですから、籾殻の中身の米の品質がどうなのかは、現時点では分かりません。
たとえ、そこそこの収穫量があったとしても、高温で粒が小さかったり、白濁した米が増えたりすると、出荷量や流通量が減り、市場価格が上がる可能性があります。米の品質にも注視する必要があります。
報道によりますと、お隣の茨城県の一部地域では、収穫された米が白く濁るなどの品質低下が見られ、1等米の比率は約80%と、昨年より15ポイントほど低下しているとのことです。千葉県の1等米比率がどうなるのか、極めて心配です。
千葉県も気候変動の農業への影響を危惧しており、「千葉県地球温暖化対策実行計画」の中で、水稲について「異常高温など気候変動に対応した水稲新品種の育成や栽培技術の開発、環境・成育センシング技術(センサーを用い、気温や湿度などの情報を計測して数値化する技術)とICTを活用した栽培支援技術の開発に取り組むとともに、成育情報に基づく成育障害等の発生防止対策の推進などに取り組みます」としています。
しかし、残念ながら千葉県のこれらの取組は、現場の農業従事者の間に広まっていません。私は今後、この取組を千葉県の農業に広めていく所存です。
気候変動と少子高齢化の波が、今、日本人の主食である米づくりに押し寄せています。国はもちろんのこと、千葉県も農業政策を抜本的に変えなければなりません。