曲亭馬琴が書いた「南総里見八犬伝」は、安房里見家の姫・伏姫(ふせひめ)と神の犬である八房(やつふさ)の因縁によって結ばれた八人の若者(八犬士)を主人公とする長編伝奇小説で、千葉県が主な舞台となっています。
この小説に出てくる八犬士は犬塚、犬山、犬川など、共通して「犬」の字を含む苗字で、それぞれが仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌の文字のある数珠の玉(仁義八行の玉)を持ち、そして、それぞれ牡丹の形の痣(あざ)が身体のどこかにあるという設定です。
この仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌ですが、これは論語などが解く徳目のことで、大まかにその意味を表すと、次のようなことです。
仁・・・思いやり、慈しみ。
義・・・人道に従う事、道理にかなう事。
礼・・・社会生活上の定まった形式、人の踏み行なうべき道に従う事。
智・・・物事を知り、わきまえている事。
忠・・・心の中に偽りがない事、主君に専心尽くそうとする真心。
信・・・言葉で嘘を言わない事、相手の言葉をまことと受けて疑わない事。
孝・・・おもいはかる事、工夫をめぐらす事、親孝行する事。
悌・・・兄弟仲が良い事。
孔子は、これらの徳目の中で「仁」を最上位のものとし、政治は「仁政」であるべきだと説いています。
そして私も「仁」に基づき、民族や宗教、性別や年齢、障がいの有無、そういうものを乗り越えて人と人がいたわりあえる「共生社会の実現」を目指しています。また共生社会の実現は民進党の基本理念でもあります。
今、国民の目が厳しいこと。そして5大紙と呼ばれている新聞のうち2紙は自民党の機関紙のような新聞で、常に民進党批判を展開し、ネットでも「ネトウヨ」(インターネットの「ネット」と「右翼」を合わせた造語)と呼ばれる人たちなどからの批判にもさらされ、民進党の支持率は今、わずか5.8%しかありません。さらには、党内にも国民の声、主義・主張の違いというよりも、自身の選挙事情から「逃げ腰」の議員を多数抱えているというのも事実です。
このたび、兄が都議選敗北の責任を取って、民進党の幹事長を辞任することとなりました。これはやむを得ないことですが、私は今後も兄を支え、党勢拡大に努めてまいります。自民党に対抗できる政党がないのは日本の民主主義にとって不幸ですし、今、この国に必要なのは「仁」であると私は思っています。
平成29年7月30日 野田たけひこ