今、まさに受験シーズンです。朝の街頭活動をしていますと、寒さのためか、あるいは緊張のためか、青白い顔をして受験会場へと向かう受験生の姿を見かけます。何十年も前のことですが、私もかつて受験生でした。また私の娘も昨年高校受験でした。ですから受験生とその親の気持ちはよくわかります。桜の花が咲くには、春暖かくなるからだけではなく冬の厳しい寒さを経験することもとても大切だそうで、厳しい寒さがなく一年を通して温暖な土地に桜を植えても花は咲きません。受験は厳しい試練ですが、これを乗り越えた先に、「サクラサク」が待っています。いずれにせよ今受験生に言えるのは「がんばれ!」のひと言しかありません。
さてご承知の通り今はありませんが、かつて公立の小・中学校、高校でも土曜日もお昼まで授業がありました。私立の小・中学校・高校は今、第2第4土曜日は休みですが、それ以外の土曜日はお昼まで授業があります。公立の小・中学校・高校で2003年以降、いわゆる「学校週5日制」になったのには、校内暴力・いじめ・登校拒否・落ちこぼれ等が社会問題化し、これまでの「詰め込み教育」ではなく生きる力を育む「ゆとり教育」という方針を国が打ち出したからです。しかし「OECD生徒の学習到達度調査」等で、日本の子どもの学力が低下したことから国は「脱ゆとり教育」へと方針転換しました。いわば「学校週5日制」は「ゆとり教育」の落とし子のようなものです。
子どもの頃の私であれば、激しい拒否反応を示したでしょう。また、わが子からも断固反対の声が挙がるでしょうが、やはり子どもたちの将来を考えると心を鬼にして「土曜日も学校に行きなさい!」と言わざるを得ません。なぜならば、日本には天然資源がほとんど無く国土の7割が山で大規模農業に適していません。農産物の輸出で豊かになるのも難しく、日本が今後も豊かであり続けるには、日本人の教育水準の高さを維持できるかどうかにかかっています。また競争社会で、教育や学歴というものが重要な位置を占め、収入の差とも密接であるという現実もあります。
現在県内の野田市や白子町などでは、それぞれの教育委員会が主導して土曜日に授業を行っています。任意参加であるために参加率が低い。学習に遅れのある子どもが授業に参加しない。またスポーツ文化団体や習い事との調整。先生方の代休の問題。学校施設の管理の問題等、課題はたくさんあります。しかし、土曜日に授業を行って子どもの学力向上や落ちこぼれをなくそうという試みは、今後船橋市は勿論のこと他の市町村にも広げていきたいと考えています。まだまだ詳細についての議論が必要ですが、今後も制度としての「土曜授業」の導入を訴えていきます。