私の公約の一つに、人がそれぞれに持つ人種、国籍、宗教、年齢、性別、障がい、性的嗜好、学歴、価値観等の様々な違いを互いに尊重し合い、共の支え合う「共生社会の実現」があります。そのような社会をつくるためには、※アンコンシャス・バイアスという、人々の「心の壁」を取り払う必要があると、本会議、常任委員会等、様々な機会を通して訴えてきました。
内閣府・男女共同参画局が昨年5月に発行した広報誌「共同参画」にも、「我が国における男女共同参画の取組の進展が未だ十分でない要因の一つとして、社会全体において固定的な性別役割分担意識や無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)が存在していることが挙げられます」としています。
島国である日本は、世界に比べ外国人が少ないということもあり、同質性が高いと言われています。同質性は、少ないコミュニケーションで意思疎通が図れるなどのメリットがある一方、異質なものを受け入れないという大きなデメリットもあります。
それは、「同質的な行動」が取れない人に対して排除する傾向が強く、「同質的な行動」を取れない人に対する攻撃が「正しいこと」「当然のこと」として無意識に感じてしまうことだと思います。
障がい者に対しても、「障がい者は気の毒だ」「障がい者は何をするかわからない」「障がい者に重要な仕事を任せてはいけない」といった、無意識レベルでの偏見が多くあるように感じられます。アンコンシャス・バイアスによる差別の厄介な点は、差別をした側は「差別をした」と意識をしていなく、差別をされた側は「差別をされた」と強く感じてしまうことです。
令和3年版「障害者白書」(内閣府発表)によりますと、障がい者数の概数は身体障がい者436万人、知的障がい者109万4千人、精神障がい者419万3千人で、国民の7・6%が何らかの障がいがあるという結果でした。そして障がい者の総数は、2006年から2018年の12年間で、655・9万人から936・6万人と、約300万人近くへと毎年増えています。
「人生100年時代」です。誰しもが高齢となれば、何らかの障がいを持つリスクが高くなります。増え続ける障がい者が幸せを実感できる社会をつくるために、障がい者の尊厳を守らなければなりません。また、男性が優位とされ、年功序列や長時間労働が良いとされていた時代は、「男女共同参画」の推進により、大きく変革する必要性に迫られています。そのためには、あらゆる「心の壁」を取り払う必要があります。
※アンコンシャス・バイアス・・・「無意識の偏ったモノの見方」「無意識の思い込み」「無意識の偏見」のことで、誰もが潜在的に持っている思い込みのこと。たとえば「お茶出し、受付対応、事務職、保育士というと女性を思い浮かべる」「親が単身赴任中というと、父親を想像する」「定時で帰る人は、やる気がないと思う」「DVと聞くと男性が暴力を働いていると想像する」等