「避難勧告」「避難指示」の発令について

 「今年最強の勢力」と言われていた台風21号は9月4日に徳島県に上陸し、関西を中心に甚大な被害をもたらしました。今年は7月の台風7号及び梅雨前線の影響による「西日本豪雨」や、東から西へという異例なコースを進み「逆走台風」と呼ばれた台風12号、8月の千葉県では茂原市が「避難勧告」を出した台風13号など、台風の日本上陸が多い年です。
 今年の台風や、気象庁から「命に関わる危険な暑さ」と呼ばれた猛暑など、今年は「地球温暖化」をまさに肌で感じる年です。昨年、気象庁気象研究所は「地球温暖化が進み、平均気温が現在より約3度上昇した場合、日本の南海上に到達する猛烈な台風が増加する可能性が高い」という研究結果を発表しています。そして今、まさに「台風シーズン」です。
 さて、災害時に「避難勧告」「避難指示」の発令が遅れれば、被害を拡大しかねないこととなります。平成25年、40名の犠牲者を出した台風26号による伊豆大島土砂災害では、避難勧告の発令が遅れました。平成26年、74名の犠牲者を出した豪雨による広島市の土砂災害でも避難勧告が遅れ、平成27年、2名の犠牲者を出した関東・東北豪雨、鬼怒川決壊による常総市の水害でも避難指示が遅れ、今年の西日本豪雨でも河川の氾濫の20分以上後に避難指示を発令した自治体もあります。
 それに関し、国は西日本豪雨で、河川の氾濫後に避難指示が発令されたり、発令後も住民が逃げ遅れて被害が拡大したりしたことを踏まえ、避難勧告、避難指示に関するガイドラインを見直す方針を固め、市町村が災害発生前から躊躇せず避難指示、避難勧告を発令できるよう判断基準の見直しを図り、年内に新ガイドラインを策定する方針だとのことです。この新ガイドラインは早急に示されることが望まれますが、今はそれがない状態で、全国の市町村の中には避難勧告、避難指示を遅れて発令するところもあるかもしれません。
 それでは、千葉県内の市町村が災害発生前から躊躇せず避難勧告、避難指示を発令できるようになっているのかですが、県の防災担当者によれば、県では早めのタイミングでの発令をするよう県内市町村に指示し、毎年そのための訓練もしているとのことです。しかしながら、発令の遅れは命に関わることですから、県にはあらためて、そのようなことがないよう強く要望致しました。

平成30年9月9日       野田たけひこ