3月16日現在、戦火を避け、国外に脱出したウクライナ難民の総数は280万人を超え、そのうちの170万人超は隣国のポーランドに逃れています。
そのポーランドとウクライナとの国境近くにある、ウクライナ・リビウ州の訓練施設が3月14日にロシア軍のミサイル攻撃を受けました。この攻撃は、世界から集まったウクライナ支援物資が、ポーランドを経由してウクライナに供給されていることに対するロシアの苛立ちや、ウクライナに軍事援助をするポーランドや米欧諸国をけん制する狙いがあるとみられています。
先週の「県政改革 民主国家の一員として」では、ロシアのウクライナ侵略を受けて開催された国連総会で「ロシアに対して軍事行動の即時停止を求める決議案」が5カ国の反対、35カ国の棄権があったものの、141カ国の圧倒的賛成多数により採択され、反対もしくは棄権した国は「独裁国家」、賛成した国は「民主国家」の政治形態に分類され、さらに我が国は、ロシア・中国・北朝鮮など、「独裁国家」に分類される国々と隣接していること等を書きました。
今回のウクライナ侵略を、もしロシアが中国だったら、ウクライナが台湾だったら、ポーランドが日本だったら・・・と、置き換えて考えてみましょう。中国が、台湾に侵攻したならば、台湾への支援物資は日本を経由して台湾へと供給され、米軍も「台湾関係法」に基づき、日本の基地を拠点に台湾支援へと動くでしょう。その時、中国は台湾の兵站を担う日本に対して、どのような行動を取るでしょうか。
中国の台湾侵攻について、3月3日にケンダール米国空軍長官が空軍主催のイベントにて「ウクライナ侵攻が起きたが、最大の差し迫った脅威は中国だ」、同日にレスチャー米国海軍副作戦部長が米国下院軍事委員会において「米国海軍としては2020年代を最も懸念すべき時期だと捉えている。リスクが最も高まる時期であり、それに対応できるよう備えを進めている」、3月9日に米国下院軍事委員会においてスミス委員長が「中国の極めて危険な好戦的姿勢を見ていれば、ロシアによるウクライナ侵攻と中国による台湾侵攻は重ね合わせて見ざるを得ない」とそれぞれ発言しています。
中国は今、ロシア軍の膨大な犠牲者数、多額な戦費、国際社会の結束、制裁によるロシア経済の逼迫、国際社会からの孤立等を注視していることでしょう。
『世界がもし100人の村だったら』の最後の一節に、「もしもたくさんのわたしたちがこの村を愛することを知ったならまだ間にあいます。人びとを引き裂いている非道な力からこの村を救えます。きっと」とあります。
地球上のいかなる地域の侵略に対しても、国際社会は常に結束し、これに反対して欲しいと願っています。