私は以前より、がんや事故により消化器や尿管が損なわれたため、手術でおなかなどに便や尿を排泄するためのストーマ(人工肛門・人工膀胱)を装着した人たち、オストメイトの支援活動をしています。オストメイトの方々のストーマ(人工肛門・人工膀胱)は、服の下に装着されていますので外見上、障がいをお持ちの方だとわかりません。そのようなことから、あるオストメイトの方から「多目的トイレ(障がい者等が利用する)を利用した際、『なぜ、あなたが利用するの』という冷たい視線を向けられたり、時には非難の言葉を浴びるというような辛い経験がある」というお話を伺ったことがあります。
また、目の障がいで視野が狭く、周囲がよく見えない方から「人にぶつからないように気をつけて歩いているが、進路を妨害した、わざとぶつかったと誤解されることがあり、その際に罵声を浴びせられることがある」というお話も伺ったことがあります。
そのようなことから私は、東京都が始めた義足や人工関節を使用している患者、内部障がいや難病の患者、精神障がい、知的障がい、または妊娠初期の人等、援助や配慮を必要としていることが外見では分からない人々が、周りの人に配慮が必要であることを知らせることで、援助を得やすくなるようにする「ヘルプマーク」を千葉県でも導入するよう活動してきました。そして、それは昨年8月に「ヘルプカード」を県内市町村に配布するというやり方で実現しました。
しかしながら、千葉県が配布した「ヘルプカード」に記されている「ヘルプマーク」について、その存在と意義を、東京都など多くの自治体がポスターやチラシを配布するなどをして普及啓発していますが、残念ながら千葉県ではそのようなことする計画はありません。船橋市など多くの県内市町村の福祉担当者から「ヘルプマーク」そのもの普及啓発をしなければ、「ヘルプカード」が生かされないとの意見が寄せられたにもかかわらず、県の姿勢はかたくなで、普及啓発に消極的です。県がそのような姿勢ですので、船橋市など多く県内市町村は、今年度それぞれ独自にポスターやチラシを利用して、普及啓発せざるを得なくなりました。
また2月の定例県議会で会派の仲間と相談し、「全国各地で導入が進む『ヘルプマーク』の普及啓発を求める意見書」(案)を議会に提出しましたが、これも残念なことに自民党の反対により否決されてしまいました。
これらの厳しい状況に屈することなく、これからも粘り強く「ヘルプマーク」の普及啓発に努めて参ります。
平成30年5月6日 野田たけひこ