3月8日の「国際女性デー」は、女性の権利を守りジェンダー平等の実現を目指すため、1975年に国連により定められました。起源は今から100年以上も前の20世紀のはじめ(1904年)に、「女性に男性と同じ権利を与えよ」と求める声が世界各国で高まり続けたことにさかのぼり、近年日本でもその存在が認知され始めています。
また、「国際女性デー」は「ミモザの日」とも呼ばれ、ヨーロッパでは、黄色いミモザの花は寒く厳しい冬が終わり暖かな春の訪れを告げる「幸せの花」と言われており、女性のシンボルとして多くの人々に愛され、花言葉には「感謝」「思いやり」「真実の愛」などがあり、「大切な人やお世話になった人に贈る花」として親しまれています。
さて、3月4日米国務省は、陸上自衛隊で男性隊員から性暴力を受けたことを実名で訴えた元自衛官の五ノ井里奈さんに2024年の「世界の勇気ある女性賞」を授与しました。同省は、「伝統的な日本社会でタブー視されてきた問題に光を当てた。彼女の勇気は、虐待を受けた無数の人たちが体験談を打ち明けることを後押しした」とたたえました。また、五ノ井さんの告発は社会に影響を与えたと評価されており、これまで米誌タイムの「次世代の100人」や英BBCの「女性100人」にも選ばれています。このように、つらい出来事を告発した彼女の勇気は、世界でも大きく評価され、古い体質の日本が変わるきっかけのひとつになると期待されています。
しかし、世界経済フォーラムが男女格差の大きさを国別に測って比較する「ジェンダーギャップ指数2023」によると、日本は、世界146カ国中、前年の116位からさらに順位を下げ125位という結果でした。ジェンダーギャップ指数は、経済・政治・教育・医療の4つの分野に分かれており、日本は特に政治分野は「世界で最も低いレベル」と指摘されています。全体のギャップ指数においては、日本はG7の中でも、東アジア・太平洋地区19カ国の中でも最下位という結果でした。ちなみに、現在の千葉県議会でも、定数95のうち、女性議員はたった14人にとどまっています。
千葉県は47都道府県で唯一、男女共同参画の理念を盛り込んだ条例がありませんでしたが、昨年12月19日、千葉県議会で、障害の有無や性的指向と、多様性を尊重する社会づくりを目指す「多様性尊重条例」が可決・成立しました。その条例には、男女共同参画の理念も盛り込まれています。今後、多様な意見が十分に反映されるよう多様な人材の就労や社会参加、安心して暮らせる環境の整備などを進めていかなければなりません。
私は、「国際女性デー」が特別な日でなくなる社会になるよう、そして誰もが暮らしやすく働きやすい共生社会の実現に向け、あらゆる場において提言してまいります。