千葉県では4月21日、新型コロナウイルスに感染した3名の方の死亡と、112名の方が感染したことが公表され、県内の累計感染者は31,931人となりました。また、変異株への感染が5人確認され、計182人となりました。船橋市においては、今月12日から調査対象となった感染者を検査したところ、変異株陽性率は87%と、従来株と比べ感染力が強いとされる変異株が広がりを見せています。変異株は若年層への感染の割合が高い傾向にあるとされています。
また4月20日から、船橋、市川、松戸、柏、浦安の県内5市において新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ「まん延防止等重点措置」が5月11日を期限として始まりました。しかし、新型コロナウイルス感染症対策の「切り札」とされるワクチン接種に関し、国から県・市町村へ伝えられる配送時期と個数が曖昧で、供給量も極めて少ない状況ですから、県のコロナのまん延防止対策は困難を伴ったものにならざるを得ません。
船橋市においては4月中に国から供給されるワクチン量が、わずか1,500人分程と極めて少ないため、クラスター発生防止や重症化の予防という観点から、介護老人保健施設等の高齢者施設の入所者に、ようやく4月中旬以降に接種できるようになりました。日本の人口100人当たりの接種回数は1.53回で、世界平均の11.61回より一桁も少なく、国軍による市民への武力弾圧が続くミャンマーの1.91回よりも少なく、OECD加盟37カ国の中でも最下位であり、世界182カ国中でも131位です。
1都3県に発令された緊急事態宣言が3月21日解除され、またじわじわと感染が拡大しつつあるなか就任した熊谷俊人新知事の「所信表明演説」が4月20日の臨時県議会において行われました。「コロナ対策にリーダーシップを発揮」する旨の表明を受け、私が所属する会派「立憲民主・千葉民主の会」は知事と会談し、新型コロナウイルス感染症対策に係る要望、「県庁組織の機動的運営」「市町村との連携」「分かりやすい情報発信・情報共有」「関係機関との綿密な協議と実態に即した決断」等を含む県政全般にわたる計348項目からなる政策要望書を提出しました。同日、熊谷知事は記者会見において、新型コロナウイルスの緊急事態宣言要請に関し「千葉県は宣言が必要なフェーズにあるわけではないが、予断を許さないと思っている」「感染拡大の可能性があると判断すれば、さらに強い措置を選択肢に入れながら考えていく」と述べました。
新型コロナウイルス感染症対策は県民の命や健康を守るためのものだけではなく、『自粛』により自由に経済活動ができない現状を打破する、景気回復のための最大のカンフル剤でもあります。そのことからも、ワクチン供給に係る国の失態は責任重大だと考えます。
令和3年4月25日 野田たけひこ