全国においても、千葉県においても、また船橋市においても不登校児童生徒数が過去最多を記録しています。そのようなことから私は、9月県議会で県が「不登校特例校」を設置することや、県内において不登校特例校を設置しようとする市町村があれば、それに全面的に協力することを提案する所存です。
また、私の提案に賛同してくれた仲間の市議も、船橋市議会において市立の不登校特例校の設置を提案してくれることになっています。
そして、千葉県や船橋市等が今後、不登校児童生徒への支援等で参考にして欲しい学校があります。
それは岐阜市立の不登校特例校、草潤中学校です。誰もが「居場所」と「出番」のある社会の実現を目指している柴橋正直市長は、岐阜市内の中学校における不登校の児童生徒の出現率が国や県内の平均に比べ多いことに強い危機感を持ちました。
そして、県の全面的な協力を仰ぎながら、令和3年4月を目途に不登校特例校設置を目指しました。草潤中学校の基本方針は「これまでの学校の常識・視点で子どもを見ない」「子どものありのままを受け入れ、新たな形を常に求める」「悲しい思いをする子どもを、ただの一人もそのままにしない」「いじめ・トラブルは、その日のうちに、事実確認と解決の方向性を明らかにする」「昨年度の前例は、既定路線ではない」等です。
柴橋市長は、これらの方針を決めるなど、不登校設立準備にあたった県教育委員会の課長を校長に、課長補佐を教頭に迎え入れました。これは、思い入れの強い企画を成功させるために、全身全霊を捧げて頑張って欲しいという人事です。
そして男子トイレのイラストはシルクハット、女子トイレは貴婦人帽子などとなっていますが、これらは、全て校長のデザインです。その甲斐あって、学校のトイレは校内で最も明るく開放的な空間となっています。
教職員は「一人ひとりの生徒にしっかり向き合いたい」という強い思いを持った志願者を募り、現場に配置しました。生徒はその中から自分の担任を選択します。担任との相性が合わなかったら変えることもできます。
朝はまずウォーミングアップ。生徒と担任が相談して、その日の学習プランをつくります。すべての授業はオンライン併用になっていて、生徒用タブレットで授業を受けられますので、体調や気分によっては教室に入らず、保健室や図書室、校庭、あるいは自宅でも学べます。放課後は生徒と担任でクールダウン。その日の反省会をします。「生徒本位」に徹し抜いた学校運営です。
今年3月、草潤中学校で初めての卒業式がありました。そして卒業生の、何と100%が進学の道を選びました。岐阜県は、この学校で得られつつある大きな成果や経験を、県内の公立学校にフィードバックし、不登校が出現しない地域をつくろうとしています。私は、千葉県や船橋市等に草潤中学校のような学校を創ってもらいたいと願っています。