全国の小・中学校で平成24年(2012年)度に不登校だった児童生徒の人数は、112,689人でした。残念ながら、その人数は毎年増え続け、令和2年(2020年)度には、前年度の令和元年に比べ14,855人増、平成24年度に比べると83,438人増の196,127人となり、過去最多を記録しました。千葉県の小・中学校で不登校だった児童生徒数は前年度より349人増の7,850人です。
2017年施行の教育機会確保法で、国や自治体による不登校の児童生徒が通いやすい学校以外の教育機会を確保する場の設置が努力義務とされています。そして、今年4月現在、財政的な制約などから、全国には21校(公立12校、私立9校)しか不登校特例校はありません。ちなみに関東では東京都に8校(公立5校、私立3校)、神奈川県に3校(公立1校、私立2校)の不登校特例校があります。
不登校特例校では授業時間や学習内容を、児童生徒の事情に合わせて、柔軟に組むことができ、またフリースクールと異なり、元の学校から転校でき、通常と同じ卒業資格を得られる等のメリットがあります。
千葉県でも担任、学年主任 、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、訪問相談担当教員等 「チーム学校」による教育相談体制の充実や、不登校児童生徒のための支援教室を設置する小・中学校を増やす等、熊谷知事になってからは様々な不登校対策が取り組まれるようになりました。しかしながら、不登校特例校はまだありません。
不登校の増加は、新型コロナウイルスの感染により、一斉休校や外出自粛など子どもを取り巻く生活環境が一変し、児童生徒に無気力や不安等の影響を与えたことが背景の一つであるとされています。
そのような状況下、国は全都道府県・政令市に不登校特例校を設置する方針を固めました。そして、都道府県等に不登校特例校の設置を促すにあたり、教職員の給与の一部を国が負担する制度を周知し、また新たな補助金制度を検討するとのことです。
子どもが不登校になると、学校に行けない自分を責め、友達や先生の自分への評価を怖れ、家族に迷惑をかけているという罪悪感に苛まれ、勉強が遅れることの不安に駆られ、親もまた、自分の育て方が間違っていたのではないか、子供が学校に行けるようになるには、どうすればいいのか等、悩みに悩み抜きます。
不登校に悩む子どもや親を、少しでも減らすべく、私は9月に開会される県議会の一般質問において、本県においても不登校特例校を設置するよう提言する所存です。