昨年の房総半島台風による大規模停電の際、県内の「東金市外三市町清掃組合」や「山武郡市環境衛生組合」のごみ処理施設は、電力供給がないために停止せざるを得ない状況となりました。また、医療や福祉の施設等への電力供給もストップし、命にかかわる危険な状況となりました。
そのことから私は令和二年九月定例県議会の環境生活警察常任委員会において、県内市町村等のごみ処理施設を、施設の更新等の際に順次、ごみを焼却する過程で発生する熱を利用して発電する焼却炉等を持ち、停電の際にも稼働できる「自立稼働型処理施設」にしていくべきと提言しました。県内40処理施設のうち、この自立稼働型処理施設は17施設だけです。財政規模の小さな自治体が運営する小規模な焼却施設では、発電効率などの問題から、自立稼働型にすることが困難な場合もありますが、やはり停電時にごみ処理施設が稼働できなくなるのを避ける必要があります。私の提言に対し県は「災害時でもごみ処理に支障が生じることがないよう、自立稼働型の焼却施設の設置を含め、市町村等に対し必要な助言や支援を行って参ります」との答弁でした。
医療や福祉の施設等への電力供給については、「県が進めている太陽光や太陽熱、風力、水力といった自然界に存在するエネルギーを源とする再生可能エネルギーの研究・活用について、災害時の非常用電源のひとつとして検討すべき」との提言もしました。
災害廃棄物の処理は、復旧・復興の第一歩と云いますが、房総半島台風の被害発生から既に1年以上経過した現在でも、それらの処理は終わっていません。そのことから会派の代表質問では「災害廃棄物処理に係る国や市町村、各種団体等との連絡・連携強化」「災害廃棄物処理に係る人材の育成・確保」、環境省が新たに創設した「災害廃棄物処理支援員制度」(豪雨や地震などに見舞われた地域の災害廃棄物の処理を支援するため、経験豊富な全国の都道府県や市町村の職員を登録し、被災自治体に派遣する人材バンク)への千葉県の積極参加等を取り上げました。県からは、「職員の登録や派遣には積極的に協力するとともに、県内で大規模な災害が発生した場合には、被災市町村の迅速な支援のために、この制度を積極的に活用する」旨の答弁を引き出すことができました。
千葉県は現在、「千葉県省エネルギー等対策推進本部」の下に、「新エネルギー活用推進プロジェクトチーム」を設置しています。また全国の中でも洋上風力発電、波力発電等の海洋再生可能エネルギーのポテンシャルが高いとされており、将来的な産業振興や地域振興へ繋げようと「(仮称)千葉県銚子市沖における洋上風力発電事業」が国のモデル事業として始まることとなっています。
地球温暖化の進行に伴って大雨や台風の発生数が増え、毎年のように被害が増加傾向にあります。また、いつおきてもおかしくないといわれている首都直下型・南海トラフ地震などの災害時における県内の電力供給不足への対応等に効果的な新エネルギーの活用を推進していけるよう今後も取り組んでまいります。
令和2年10月18日 野田たけひこ