千葉県の特別養護老人ホームの待機者数は、約1,900人(船橋市は約800人)です。待機者解消のため施設整備が急務であることは言うまでもありません。10年後に高齢化のピークを迎えることや、千葉県は埼玉県に次ぐ全国2番目の速度で高齢化が進んでいることなど、切迫した状況については県も認識し、施設整備をしようとしています。
具体的には、昨年度千葉県の特別養護老人ホームの入所者数は21,917人でしたが、それを今年度から平成29年度までに5,963人増やし、27,880人が入所できるようにすること。あるいは事業所が施設を整備する際、県から入所者のベッド数に応じて補助金が出されますが、神奈川県が1床(ベッド)当たり255万円、埼玉県300万円なのに対し、千葉県は450万円で関東近県の中では東京都の500万円に次ぐ補助率です。
施設の数を増やす。介護職員の数を増やす。それと同時に進めなければならないのが、「高齢者虐待防止法」などを守る、法令順守。最近よく聞く言葉で言えば、コンプライアンスです。私は先週、皆様にお配りしたビラで「特別養護老人ホーム等の高齢者福祉施設や障害者福祉施設に、第三者機関が定期的に、時には抜き打ちで、虐待の有無や不適切な業務が行われていないか調査し、改善勧告・指導が行えるようなシステムをつくりたいと考えています。そして、それぞれの施設に評価点をつけるシステムもつくりたい」と書かせて頂きましたが、介護職員の研修制度も充実させたいと考えています。それは研修を通し、介護職員の意識や質を向上させることで、施設利用者の生活の質が向上すればとの願いからです。
今年の3月に、名古屋市の介護施設で介護職員が認知症の女性入居者に暴行を加え、その様子をスマートフォンで撮影し、動画をLINEで共有していたという事件がありました。その動画には、認知症の女性の鼻の中に指を入れて上に強く引いたり、口の中に手を入れて上下に動かしたりという行為が写っており、認知症の女性の「いやいや」「やめて」という声も入っていたそうです。犯人は、なぜそのようなことをしたのでしょうか。犯人の1人は「嫌がる様子を見ておもしろかった」と警察の取り調べで語ったそうです。
老いは避けられません。誰しもが高齢者虐待の被害者になる可能性があります。私は高齢者虐待防止法の欠陥を補うシステムを千葉県につくりたいと考えています。