平成18年、今から9年前に船橋市議会で初めて中核市として、船橋市独自に児童相談所を設置すべきだということを議会の一般質問で取り上げましたが、それに対してご賛同頂ける方はほとんどおりませんでした。その時の本会議における私の発言ですが『船橋市民が青少年の問題について相談している児童相談所は市川市にあり、この市川児童相談所(県施設)は、船橋市、市川市、浦安市、鎌ケ谷市を担当しています。昨年度までの5年間に、この4市から市川児童相談所に寄せられた相談件数の総数は12,928件で、そのうちの約45%の5,824件が船橋市から寄せられた相談です。
また、全国に36市の中核市がありますが、児童相談所の所在地は、その中核市内にあるというのがほとんどで、市内に無いのは大阪の高槻市と船橋市の2市のみです。
平成16年11月に児童福祉法の一部が改正され、それにより、中核市が独自に児童相談所を設置することが認められることとなりました。それを受け、横須賀市と金沢市はそれぞれ県と連携し、市独自に児童相談所を設置することを決断し、平成17年11月に、厚生労働省より児童相談所設置市の指定を受け、本年4月1日に、それぞれ市直営の児童相談所を開設しました。
また、厚生労働省も、本年3月3日に開催された全国児童福祉主管課長会議の中で、中核市が児童相談所を設置することは、児童相談所の数がふえ、より住民の身近になることとなり、ひいては子供の最善の利益に資するという考えを示し、中核市が独自に児童相談所を設置することを奨励しており、現に横須賀市が設置する際には、国より多額の国庫負担金が支給されています。
このようなことから、船橋市でも独自に児童相談所を設置すべきだと考えます。市川児童相談所によれば、少ない人員で本市を含む4市を担当しており、新たに児童相談所が設置されれば利用者に対してより的確な対応が可能となる、あるいは利用者の利便性が向上する等のメリットがあるとのことです。さらに、それは本市のみならず市川、浦安、鎌ケ谷のメリットにもなることであり、実際それらの市との担当者による連絡会議においても同趣旨の発言が他市から寄せられています。市民からの要望、そして国からも、他市からも設置すべきではないかという声が上がっていることについて、どのようにお考えかご見解を伺います』これに対しては財政上の理由などから、難しいとの答弁を頂きました。
その後、自らの選挙公約に掲げ、船橋市長選においては政策協定を結び選挙公約に盛り込んでもらうなどとし、本年度の船橋市の予算に、市の職員を研修のために市川児童相談所に2名派遣することが決まりました。ほぼ10年越しで皆様とのお約束を一歩前進させることができました。
今またお金がかかるということから、船橋市独自に児童相談所を設置することを見直すべきという意見も増えていると伺っています。福祉というものは、お金がかかります。それはじゅうぶん承知しています。しかし、親から虐待を受けている、育児を放棄されてしまった、そのような子どもたちが増えています。だからこそ、児童相談所の充実は必要なのだと私は思っています。