公共事業に係る違法・不当な働きかけの記録制度の導入について

 衆院選におきまして、皆様から温かいご支援、ご声援を賜りましたこと、心より感謝申し上げます。

 衆院選に関するテレビ報道で、自民党の大物政治家が有権者に対し、地元へのこれまでの貢献や実績を訴え、さらに今後も新規道路の開通や大型施設の建設等の公共事業を国に働きかけ、国の予算を獲得してそれを地元に持ち込めるのは自分しかいないと語っているシーンを何度も見ました。

 さて、道路や大型施設等の公共工事が着工されるとなれば、公共事業の受注を受けた会社はもちろんのこと、建設に関わる資材の受注を受けた会社や、それらの会社に様々な製品を納めている会社にも利益をもたらし、さらに、それらの会社に勤めている人たちが買い物をする地域の商店街にも利益をもたらします。

 また、新たに道路や大型施設ができれば、それを利用する人たちの利便性が向上するなど、さらなる利益ももたらします。

 このように、公共事業への税金の投入には、事業自体の生産、雇用、消費等の経済活動が派生的に創出される効果(フロー効果)と、整備された社会資本が機能することによって、整備直後から中長期にわたり継続的に得られる効果(ストック効果)があるといわれています。

 私は、必要な公共事業は積極的に推進すべきだという考えを持ち、また、事業の経済への波及効果も期待しています。

 しかしながら、公共事業が役人や業界との太いパイプを持つ政治家の働きかけによって、自らの息のかかった企業に受注され、そこに皆様の税金が投入されることになれば、それはいかがなものでしょうか。

 平成29年(2017年)に発覚した県土木事務所の官製談合事件を受け、県は職員へのアンケートを実施しました。その結果、外部からの違法・不当な働きかけは50件で、そのうち、最も多かったのは利害関係者からの働きかけが33件、次いで政治家からの働きかけが6件、県庁OBからの働きかけが5件でした。

 そのため、私は県に対し、公共事業に係る違法・不当な働きかけの記録制度を導入することを提案するとともに、その対象を、利害関係者はもちろんのこと、政治家や県庁OBを含めるべきだと考えています。また、違法・不当な働きかけについては、対象を限定せず、すべて記録すること、さらには利害関係者との飲食についても金額にかかわらずすべて届け出ることなど、公共工事に関する様々な提案を行っています。

 政・官・業の癒着を断ち、公正なルールの下で公共工事はなされるべきです。