2011年に発生した東日本大震災から13年経過した現在までに、震度6強以上の地震が14回発生しています。また、地球温暖化により雨の降り方が変わり、線状降水帯や集中豪雨、ゲリラ豪雨などが発生して水害はより大きくなってきています。
令和3年5月、災害対策基本法が改正・施行され、自力避難が困難な高齢者や障がい者、難病患者、乳幼児、妊産婦、外国人、旅行者、帰宅困難者などの「個別避難計画」策定が市町村の努力義務となりました。
災害弱者が逃げ遅れないようにするため、地域のどこに、自力避難が困難な人がいるのかを把握して、その人たちをどのようにして避難させるのか、災害前に計画を立てておかなければなりません。しかし、令和5年6月現在、千葉県内の54市町村のうち避難行動要支援者名簿に基づく「個別避難計画」が策定済なのは28市町村で、約半分の市町村は計画が策定されていません。
この現状を踏まえ、私は毎年、機会あるごとに、県内市町村が計画を策定するにあたって、県はより積極的な支援をすべきである旨の要望をしています。
さて、船橋市の65歳以上の高齢者人口の割合が多い地域は、北東部に集中し、松が丘や大穴地区は38%を超えています。また、エレベーターの無い古い団地や県営・市営住宅も数多くあります。
大地震や大水害が発生した場合、建物や電柱の倒壊、土砂崩れにより道路が寸断されるなどして、車両が通行できなくなる可能性は非常に高く、歩行困難な高齢者や視覚障がい者、妊産婦を避難させることは容易ではありません。
私は、車両の通過が困難となった道路でも、自力避難が困難な人たちを円滑に避難させたり、支援物資を搬送したりすることができる「防災リヤカー」の有効活用を県内市町村に普及させたいと考えています
ちなみに、船橋市の防災リヤカーの配備状況は、避難所となる小中学校に各1台ずつと防災倉庫6か所に各3台ずつしかありません。
船橋市は大規模な空襲を免れ、昔ながらの狭い道路や路地裏が多く、坂道も多い土地柄です。自治会・町会の防災倉庫も、それぞれの地域性に合った備蓄品であるかどうかという見直しを行うとともに、「防災リヤカー」を救助用資機材の備蓄品として義務付けるべきではないでしょうか。