1990年に公開された映画、「バック・トゥー・ザ・フューチャー」パート3でのワンシーンで、1955年当時に生きる科学者ドクと1985年の未来から来た主人公マーティーとこんな会話が交わされます。
故障した機械の部品を見ていたドク。
ドク 「こんな小さい部品の故障が大問題につながるとは・・・。ふん。ど
うりで壊れるわけだ 日本製だとさ。」
マーティー「何言ってるんだよ ドク。日本の製品はみんな最高だよ。」
ドク 「うーん 信じられん。」
1955年当時、日本製といえば粗悪品の代名詞だったものが、わずか三十年で高級品の代名詞となったことを物語るシーンです。日本製の好イメージは工業製品などに限ったものではありません。今や船橋特産の梨(なし)もシンガポールやマレーシアなどの東南アジアでは、そのおいしさだけでなく、日本の果物、イコール高級品として日本の5、6倍の値段であろうとも飛ぶように売れるそうです。そして今、千葉県では東南アジアなどを中心に千葉県産の農水産物の輸出拡大を図っています。
先月の29日に船橋市豊富町にある『JAいちかわ船橋梨選果場』に輸出に関わるバイヤー(百貨店や卸売業者など)をお招きして、千葉県農水産部主催の現地視察と意見交換会が開催されました。私と、船橋市議会で農業振興に力を注いでいる斎藤誠市議もオブザーバー参加させて頂きました。これは翌日の読売新聞の千葉版にも載りましたので、ご記憶の方もいらっしゃるかもしれません。
東南アジアなどでは、日本産といえば高級感、信頼感の代名詞になっているため、少しの傷も許されないそうで、意見交換会ではバイヤーから「長時間の輸送に耐えられるような包装をしてほしい。」韓国産の梨が日本産の梨より安く出回るため、「千葉の梨が他の梨と違うアピールポイントを教えてほしい。」などの声が上がりました。また私見ですが、多く広く売るには当然ながら、庶民でも買える価格にする必要があります。一時の流行ではなく、船橋の梨を世界に広めるには、高級感、信頼感だけでなく、価格での「満足感」も必要になるでしょう。
平成28年9月4日 野田たけひこ