千葉県の教育委員会では今年度、これまでに3回通知文を出し「避難している児童生徒に対し、心のケアやいじめが起こらないよう周囲の児童生徒に対する指導を行うなど、格別の配慮をすること」「個別面談、保護者への連絡などにより、震災に関わるいじめを受けていないか、個別に確認すること」「いじめがあった場合には、速やかに報告すること」等の現場指導をしてきました。
また、「いじめ防止対策推進法」では「深刻さや継続性にかかわりなく、被害者が苦痛と感じるものすべて」をいじめと定義し、それまでいじめと認知されなかったものもいじめと認知するよう学校や教育委員会に求めています。千葉県の教育委員会は法の趣旨を踏まえ、軽微ないじめでも早期に把握し、積極的に認知しようとしています。
そのような中、先月27日に避難者が国と東電に損害賠償を求めている千葉地裁での集団訴訟の弁護団は、マスコミ報道を通して、『東京電力福島第1原発事故で福島県から千葉県に自主避難した3世帯の子どもたちが、転入先の小中学校で「何で福島から来たんだ」「放射能がうつる」と言われるなど、いじめ被害に遭い、その後、学校に行けなくなり、転校した』と公表しました。
折も折、原発事故で横浜市に自主避難した子どもが、転校先で複数の同級生から名前に「菌」を付けて呼ばれ、また「賠償金があるだろ」と総額150万円も脅し取られ、不登校になった問題では、学校の不手際、横浜市教育委員会が総額150万円も脅し取られているにもかかわらず、当初、それをいじめと認定しなかったことなどが国民の怒りをかっている最中ですので、多くの方々が「千葉県でもか」と落胆なさったことでしょう。
この千葉県でもいじめがあったとする報道ですが、「保護者等の意向や個人情報に配慮し、転入した学校や受け入れた教育委員会等を明らかにすることはできない」と弁護団から情報提供がないため、県の教育委員会も詳細についての確認はできませんが、県教委からは「被災児童生徒が在籍する学校に対して、当該児童生徒への個別面談、保護者への連絡等、個別の確認により、東日本大震災又は原子力発電所事故により避難し、本県公立学校(市町村立小・中学校及び県立高等学校、特別支援学校)に在籍する児童生徒が震災に関わるいじめを受けていないか確認したところ、いじめは確認されませんでした」との報告がなされています。
現時点において、いじめがあったのか、どうかについての確認はできませんが、原発事故避難児童へのいじめ問題が全国的に注目されていることからも、今月24日開催の文教常任委員会において、いじめへの認知を積極的に行うこと、特に県内の避難児童生徒270名への格別の配慮を県教委に強く要望致します。
平成29年2月19日 野田たけひこ