台風15号にかかる県の対応について

9日未明、本県を直撃した台風15号は、県内の広い範囲に甚大な被害をもたらしました。被災された方々や、現在も不自由な思いをなされている方々に心よりお見舞い申し上げます。
 さて、災害を受けた市町村への県職員派遣については「国の職員は泊まり込みで来たが、県からは来ていない」という報道がありました。「千葉県地域防災計画」の「災害応急対策計画」における市町村支援について「県は、大規模災害が発生した場合、特に市町村が被災状況の報告を行うことができなくなった場合には、積極的に市町村へ県職員を派遣し、情報収集を行う。県は、市町村から職員派遣の要請がある場合又は市町村が災害対応能力を喪失等したと認められる場合における、県職員を派遣するなどの措置をあらかじめ定めるものとする。」としていますが、県は台風上陸の3日後の12日の夕方の5時30分にようやく県職員の派遣を指示しています。
 また災害対策本部の設置についてですが、館山市、大多喜町、富津市、栄町が台風上陸前日の8日にいち早く設置し、台風上陸当日には南房総市、鴨川市等19市町で災害対策本部を設置しています。しかしながら、県が災害対策本部を設置したのは翌日10日の午前9時00分です。
 次に県の自衛隊への災害派遣要請ですが、これは台風通過の翌日10日の4時00分に森田知事より要請がなされています。しかしながら、台風通過当日の9日に被災した市町村から倒木除去のため自衛隊派遣を要請してほしいとの依頼があったものの、県はその時点では、それに応じる意思を示さなかったと聞いています。また自衛隊のホームページによりますと、森田知事より倒木除去に係る災害派遣要請をしたのは、台風通過2日後の11日の6時00分、入浴支援に係る災害派遣要請も同日の15時00分であり、自衛隊への災害派遣要請は遅すぎたと思われます。
 台風通過の8日前の9月1日に船橋市において、大規模地震を想定し、防災関係機関相互の連携強化等、他の大規模災害に役立つ訓練でもある「第40回九都県市合同防災訓練」が実施されたばかりで、森田知事も参加していました。この訓練や「千葉県地域防災計画」がじゅうぶんに活かされなかったことは極めて残念です。
今回の台風15号襲来に際して、そもそも知事の顔が見えないとの声を多く聞きました。「千葉県地域防災計画」等を定めておいても、それを実行するトップに危機管理能力がなければ、それは「絵に描いた餅」になるということを痛感しました。

令和元年9月23日       野田たけひこ