土砂災害防止対策について

鬼怒川の決壊等の大きな被害をもたらした先月の関東・東北豪雨では、千葉県の市町村の多くが土砂災害警戒情報を発し、千葉、館山、市原、流山、君津、富津、袖ヶ浦、南房総でがけ崩れや土砂崩れがありました。そして、以前お配りした「県政改革 遅れる土砂災害防止対策」にも書かせて頂きましたが、平成13年の調査では、関東で一番多くの土砂災害危険箇所を抱える県であることが判明しました。それでは船橋市には、どれだけの土砂災害危険箇所があるのかといいますと、平成16年に千葉県が公表した数字では60箇所です。

 土砂災害防止法に基づき、県は基礎調査をすることが義務づけられていますが、この60箇所の内、危険度が高いとされる重点箇所の26箇所についての基礎調査は終わっているものの、残りの34箇所の基礎調査はまだ終わっていません。

 また、この60箇所を土砂災害警戒区域(イエローゾーン)と土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)に区分して区域指定しなければなりませんが、船橋市の土砂災害危険箇所60箇所で、区域指定された箇所は未だありません。ゼロです。区域指定がなければ、「警戒避難体制の整備をする」「住宅等の新規立地の抑制をする」あるいは、「既存住宅の移転促進をする」ことなど実際に土砂災害の被害を防ぐという段階に進むことはできません。

 土砂災害危険箇所の基礎調査を終わらせるのは平成31年まで(関東の中で一番遅い終了予定)とされていますが、現在の進捗状況から勘案しますと、平成31年までに完了というのは難しいでしょう。そもそも土砂災害防止対策に係る予算や職員数が不足しています。命にかかわることでから、現状の基礎調査や警戒区域の指定などに係る事務・作業のペースを早める必要があります。

 また、船橋市の土砂災害危険箇所60箇所の中に、平成22年の大雨と平成23年の東日本大震災の際に、土砂災害のあった船橋市夏見の被災箇所は、当初含まれていませんでした。2度にもわたり土砂災害のあった船橋市の被災箇所が、土砂災害危険箇所のリストに入ったのは被災後の平成24年になってからです。ですから土砂災害危険箇所の選定の仕方にも疑問があります。ちなみに、この船橋の被災箇所は、地元住民の要望により国庫補助事業である「急傾斜地崩壊対策事業」を活用して復旧工事を行いましたが、未だ警戒区域の指定には至っておりません。

 10月7日(水)に県議会で一般質問する機会を得ました。土砂災害防止対策についても取り上げます。