今から10年後の2025年「団塊の世代」の方が75歳以上のいわゆる後期高齢者となる時、国民の4人に1人が65歳以上の高齢者となり高齢化はピークを迎えます。そして千葉県の高齢化の進展は、全国で埼玉県に次いで2番めの早さで進んでいます。
高齢社会において医療は切実な問題ですが、千葉県の医療の現状について以前お配りしたビラでご報告した通り、医師数、看護師・準看護師数、病院病床数等で全国最下位レベルですから、医療従事者や医療施設の数を増やさねばなりません。また当然ながら数だけではなく、医療の質と内容といったものも同時に充実させなければなりません。
さて、縁起でもないとお叱りを受けるかもしれませんが、皆様が最期をお迎えになる場所は、どこがいいですか? ご自宅ですか? 病院ですか? 実は国民の約60%以上の方が、住み慣れた自宅で最期を迎えたいと願っています。統計によりますと、1950年代には亡くなった方の約80%の方が自宅で亡くなっていましたが、今は逆に約80%の方が病院等で亡くなり、自宅で亡くなる方は約10%程度です。つまり、ほとんどの方がご自身の意に沿わぬ場所で最期を迎えているということです。自宅で最期を迎えたいというのはささやかですが、しかし切実な願いです。この願いをかなえるには、ご自宅で医療を受け、療養できる、在宅医療を充実させなければなりません。
2025年を目途に、重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供されるという「地域包括ケアシステム」が進められていますが、まだ手探りの状態です。そして在宅医療を充実させるためには、この「地域包括ケアシステム」をうまく機能させなければなりません。
また「地域包括ケアシステム」をうまく機能させるためには、たとえば医師、看護士、薬剤師、保険師、ケースワーカー、訪問介護、訪問看護・ケアマネージャー、配食サービス、近隣住民等がそれぞれの垣根を越えて連携するという極めて高度なことが要求されます。この連携がうまくいかないと、当然ながらじゅうぶんな医療・介護サービスは受けられません。また医療を受ける人の家族にも様々な負担がのしかかり、精神的、肉体的に追い詰められてしまって最終的に在宅医療を断念せざるを得ない状況となります。「地域包括ケアシステム」を機能させ在宅医療を充実させるには、まだまだ多くの課題があります。
課題山積の状況ですが、私はご自宅で最期を迎えたいという方々の願いをかなえられる社会を築くため尽力します。