子どもたちへ善意をプレゼント!

 ヘアドネーションとは、小児がんなどの治療や事故等により髪の毛を失った子どもたちのために、寄付により集められた髪の毛で「ウィッグ」をつくり、無償で提供するボランティア活動です。
「全国では毎年約2,500人の子どもが小児がんを発症し、現在約16,000人の子どもが小児がんと闘っています。そして、その子たちの多くも抗がん剤の影響により髪が抜け落ちています。小児がんに限らず、無毛症や先天性の脱毛症、不慮の事故などで髪を失った子どももたくさんいます。その子たちは、病や事故、入院や治療過程での痛みや苦しみと戦い、病室の孤独にも耐え、また髪が抜け落ちる過程での精神的ショックを乗り越えるという辛い経験をしてきました。そして、髪がないことで、周囲の配慮を欠いた視線も意識してきました。」(平成30年2月定例県議会)これは、私が千葉県で初めて髪の毛(ヘア)の寄付(ドネーション)への協力を行政に呼びかけた際に、本会議場で発した言葉の一節です。
私は特に、県内市町村が主催する成人式において、ヘアドネーションへの協力を呼びかけるチラシを配布して欲しいと千葉県や船橋市等に働きかけてきました。なぜ成人式でチラシを配布するかというと、一般的に成人式を迎えるお嬢様の多くは、振袖に似合う髪型にするために髪を長く伸ばしています。そして成人式を迎えた後に、美容室等で髪を切ろうと思っておられる方も多くいらっしゃいます。美容室等で切った髪は通常、ゴミとして捨てられてしまいますが、ヘアドネーションにご協力頂けたならば、その髪は小児がんと闘っている子どもたちを笑顔にすることに活かされます。この成人式におけるチラシ配布の呼びかけに応じ、その翌年、船橋市は新成人の皆様に「ヘアドネーションで子どもたちを笑顔に」というチラシを配布するに至りました。
また来年には、コロナ禍によって成人式を開催するかどうか、まだ決めていない市町村もあるものの、12月現在、県内54市町村のうち成人式の開催を予定している35市町村において、県作成による「身近な社会貢献を初めてみませんかーヘアドネーションで病気と闘う子どもたちを笑顔にー」というチラシ約19,000部が配布予定であり、ヘアドネーションが広く普及・啓発されることとなっています。
先日、フィンランド政府公認のサンタクロースがNHKのオンラインインタビューで、今年は新型コロナウイルスの影響で世界各地を回れないとしながらも「クリスマスの本当の意味はお互いに優しくし、尊敬し、笑顔を見せ、いい行いをすることです。いいことをしたら必ず自分に返ってきます。私たちの心には、善意や助け合いの気持ちがいつもあります。そのクリスマスの精神を、みんなに送ります」と答えています。
ヘアドネーションは、年齢・性別を問いません。皆様におかれましても、ヘアドーネーションへのご理解とご協力を賜り、子どもたちに善意をプレゼントして下さいますようお願い致します。
本年も「県政改革」をご拝読いただきましてありがとうございました。コロナ禍での新年となりますが、皆様方におかれましては十分にご自愛いただき、良いお年をお迎え下さいますようお祈り申し上げます。

令和2年12月20日       野田たけひこ