子どもたちを性犯罪・性暴力から守る! その3

 文部科学省の人事行政状況調査によると、2022年度に児童生徒らへの性犯罪・性暴力(わいせつ行為)や同僚らへのセクハラで処分された公立学校教員は、前年度比26人増の242人でした。200人超は10年連続で、2021年4月に「教員による児童生徒性暴力防止法」が施行されましたが、深刻な状況が続いています。

 千葉県でも、教職員によるわいせつ・セクハラ行為が年々増加傾向にあり、令和5年度は年度当初から、教職員の懲戒処分に係る報道が後を絶ちません。懲戒処分数は、本年2月7日時点でこれまでで最も多かった平成27年度(2015年)の27人を上回る、過去最多の34人です。また、懲戒処分者のうち、わいせつ・セクハラの事案が最多の14人を占めています。この事態について、県教育長は本年2月20日、「極めて深刻な事態であり、不祥事が後を絶たない状況は痛恨の極み」との認識を示しました。

 そのことから、私は昨年7月、皆様にお配りした「県政改革 子どもたちを性犯罪・性暴力から守る!」で、懲戒免職となった教職員が、二度と学校で子どもたちと接することがないよう、県教育委員会に対し、教育職員免許法の特例「わいせつ行為で懲戒免職となった教員への免許の再交付について、都道府県教育委員会が可否を判断できる」の適用により、懲戒免職となった教職員への免許の再交付はしないよう求めました。。

 また、英国では18歳未満の子どもに1日2時間以上接する仕事に就く人に性犯罪歴がないか確認する制度「DBS」(Disclosure and Barring Service・前歴開示および前歴者就業制限機構)があり、私は、「日本版DBS」が必要である旨を皆様にお伝えしました。

 さらに、昨年の9月定例県議会でも「平成21年度から、不祥事根絶に向けた教育長メッセージが何度も何度も現場に発せられている。それから10年以上経過しているにもかかわらず、教職員によるわいせつ・セクハラ行為は、いまだ根絶の兆しはみえない」と県教育委員会を厳しく批判し、わいせつ・セクハラ行為の根絶に向けた取組の強化を訴え、昨年の12月定例県議会の健康福祉常任委員会でも同趣旨の発言をしています。

 そして、国は3月19日に「こども性暴力防止法案」(日本版DBS)を閣議決定し、今国会での成立を目指しています。これは、採用時に性犯罪歴を照会し、確認された場合は、子どもに直接関わる業務につかせないなどの措置がとられ、現職の教員や職員の犯歴についても照会を義務付けるという制度です。折に触れ、私が提言してきた政策が前進し、今後のより良い対策に生かされることを願っております。

 子どもたちが受けた性暴力は、生涯にわたって回復しがたい重大な影響を与えることから、何としても歯止めをかけなければなりません。令和5年度は、教職員の懲戒処分数が過去最多という極めて残念な状況ですが、私は来年度も子どもたちを性犯罪・性暴力から守るために頑張ります。