先月11月23日、千葉県東葛飾土木事務所(松戸市)の所長、課長であった県の幹部職員2名が県発注の排水路工事に絡み、工事の予定価格などの入札情報を不正に漏らし、公正な入札を妨害したとして、官製談合防止法違反の容疑で逮捕されました。
同日、この情報をもとに県発注工事を受注した松戸市の建設会社「岡本組」の元取締役も公契約関係競売入札妨害容疑で逮捕されました。
逮捕された県の幹部職員2名は入札の数週間後、「岡本組」の元取締役と高級料亭で会食し、そこには同地区選出の自民党の県議会議員も同席していたことも、その後の新聞の取材で明らかになりました。この会食は5千円の会費制でしたが、高級料亭ですから1人5千円で飲食できる訳がなく、誰かが過分な負担をした、いわゆる「接待」だと思われます。また、この自民党の県議会議員は「岡本組」の元取締役と約30年前からの付き合いで、少なくともここ10年の間に4回ほどは「岡本組」の元取締役や千葉県の県土整備部の幹部職員が、この自民党の県議会議員を「囲む会」を開催していたことや、「岡本組」には今年8月まで県土整備部の幹部OBが在籍していたことも明らかになりました。
公務員の利害関係者との飲食は、国家公務員であれば「国家公務員倫理法」「国家公務員倫理規程」で禁止されていますが、千葉県にはそれに相当する条例や規定はなく、千葉県が定めた「コンプライアンス(法令順守)基本方針」の中で、利害関係者との会食は「厳に慎むこと」とされているのみです。
当然ながら民進党は今月12月5日の本会議の代表質問で今回の不祥事を取り上げ、「弁護士などの有識者で構成される第3者委員会を設置し事態解明、再発防止策を検討すること」「国家公務員倫理法・同規定に準じる千葉県職員の倫理条例・同規定を策定すること」等を県に求めましたが、残念ながら前向きな答弁は得られませんでした。
また各党などの代表者で構成する「代表者会議」で県議会内に強い調査権限を持つ「内部検証委員会」の設置を提案しましたが、自民党などの反対により、これも実現に至っていません。これについては今後、私が所属する「議会運営委員会」でも提案する予定です。
そして私は平成28年度の予算が適正に執行されたかを審査する「決算審査特別委員会」にも所属していますが、今回の官製談合に係る予算も審査対象であることから、平成28年度の県の決算は「不認定」と致しました。しかし、これも委員会で多数を占める自民党が「認定」としたため、認定と決しました。12月22日の本会議においても、自民党の賛成多数により正式に認定されると思われます。
平成29年12月17日 野田たけひこ