私は現在、県議会を代表して「千葉県障害者差別解消支援地域協議会及び千葉県障害のある人の相談に関する調整委員会」の委員を務めています。委員会においては、「障害者等用駐車区画の利用証制度」等、様々な提唱をしています。それは、性別、年齢、学歴、職業、病や障害の有無などの多様性を認め合い、人と人とが支え合う「寛容」な社会をつくり、人々に少しでも多く「幸福」を実感できる時間や機会を提供し、誰もが暮らしやすい社会を実現させるためです。
毎年国連から、「世界幸福度ランキング」が公表されています。幸福度ランキングとは、国連の持続可能な開発ソリューションネットワーク調査が、世界の150か国以上を対象に行ない、2012年から毎年実施されています。もともと国連機関は、国内総生産(GDP)をはじめとする経済指標を重視していましたが、「経済指標だけでは本当の幸福度は測れない」と考え、①1人当たり国内総生産(GDP)②「社会保障制度等の社会的支援 ③健康寿命 ④人生の自由度 ⑤他者への寛容さ ⑥国への信頼度 等の「幸福度指標」を数値化しています。
2021年、日本の幸福度ランキングは、56位で、先進諸国と比較すると、低い水準にいます。国内総生産(GDP)、社会保障制度、健康寿命等の数値は上位にランクされたものの、残念ながら「人生の自由度」や「他者への寛容さ」の数値が低くかったことにより、そのような順位となりました。
日本人の「人生の自由度」に影響を与える要素が「労働環境」といわれていて、ヨーロッパ各国のように、長期休暇を取る風習もなければ、「有給休暇はあっても取りづらい」と感じる人が多く、またそれ以上に、「職場の中で自分に合った働き方を自由に選択できない」と感じる点が問題だと指摘されています。また、「他者への寛容さ」の項目については、日本には、積極的に寄付をおこなったりボランティア活動に参加したりする風習が根付いていない点もランキングの低さの原因だと言われています。社会全体でこうした取り組みが積極的におこなわれている国ほど、幸福度ランキングは上昇しやすいという特徴があるそうです。
連続4年間、首位に輝き続けているのがフィンランドで、トップ10にはヨーロッパ諸国の名前が並んでいます。上位国の特徴は、「社会保障が手厚い」「質の高い教育を施すための制度の充実」「ジェンダー平等」などが挙げられています。
12月3日から9日までの1週間は「障害者週間」です。その趣旨は、国民誰もが相互に人格と個性を尊重し支え合う「共生社会」の実現です。基本的理念として、すべての障害のある方に対し、「個人の尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい生活を保障される権利を有する」こと、「社会を構成する一員として社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会が与えられる」ことを宣言し、「何人も、障害者に対して、障害を理由として、差別することその他の権利利益を侵害する行為をしてはならない」としています。
私は、一人ひとりが「自由」と「寛容」を意識して生活し、幸福度が高く、暮らしやすい共生社会の実現のために尽力します。