将来世代の負担軽減

 日本は今から7年後の2025年、国民の3人に1人が65歳以上、5人に1人が75歳以上という、人類がかつて経験したことのない「超高齢社会」を迎えます。とりわけ千葉県は全国で1、2を争う程の速さで高齢化が進んでいます。高齢化が進むと、行政の予算に占める医療・福祉・介護等の社会保障関連分野への支出割合も、また支出額そのものも増えます。
 そして高齢化と同時に少子化も進行しており、社会で働き、税金を納める人たち、いわゆる生産年齢人口と納税人口が50年後の千葉県においては、現在の約半分程に減ると予想されています。それは経済規模の縮小、税収の減少を意味しますので、いずれ医療・福祉・介護等の社会保障を支えることになる、子どもや孫などの将来世代は今以上に大きな負担をすることになります。
超高齢社会は確実に訪れますが、その際に、まさに歯を食いしばって社会保障を支える将来世代に、現役世代がつくった借金の返済までさせることはいかがなものでしょうか。
 県の決算書によれば、平成29年度の税収は前年度に比べ、349億円増の8,168億円の黒字ですが、県の借金も前年度に比べ、123億円増の1,821億円となりました。近年は堅調な増収傾向ですが、その一方で借金も増えており、その傾向は、ここ数年続いています。それにより、平成20年度の借金の残高は、約2兆3,700億円であったものが、平成29年度では約3兆700億円と10年間で一度も減ることなく、約7、000億円の借金が増えました。これに、いずれ支払わなければならない返済準備金4,619億円 を加え、さらに支払うべき利息を考慮すると、千葉県の借金総額は約4兆円を超えるものと推測されます。
この問題について、私は会派を代表しての質問において、将来世代の負担軽減、未来への責任という観点から、「借金が減らなければ財政の健全化は始まらない。納税人口減が予測される中、借金総額を減らす観点からも『財政健全化計画』の見直しが必要」という考えを述べました。しかし、残念ながら県・執行部の答弁は芳しいものではなく、これまで同様、借金残高を減らすことについて消極的な姿勢でした。
財政の健全化を進めるには、批判にも耐え得る強い意志が必要です。将来世代の負担軽減と未来への責任のため、勇気をもって断行しなければなりません。

平成30年10月21日      野田たけひこ