毎年、教育現場の声を受けて、少人数学級の実現等を内容とする「教育予算の拡充に関する意見書案」、「義務教育費国庫負担制度の堅持に関する意見書案」が船橋市等の市町村の議会、千葉県等の都道府県の議会に提出されます。そして、その意見書案は各議会の文教常任委員会等で審議・採決された後、本会議での審議・採決にまわされ、採択となり、国に提出されます。これらの意見書案は、船橋市議会の本会議では6月29日、全会一致で可決されました。千葉県議会においても同様のものが、自民、公明、民主により共同提出されており、私が所属する文教常任委員会でも6月30日に審議され、全会一致で採択されました。7月2日の本会議でも委員会の決定同様、全会一致で採択されました。そして、このような動きは全国の都道府県議会、市町村議会でも行われています。
少人数学級についてですが、これを実現するには教職員を増やさなければなりません。この措置は基本的に国が行うことになっています。先程述べた通り、船橋市は教育現場の声を受け、小・中学校の全学年で35人学級実現の要望を千葉県や国にあげ、県も国に対して、少人数学級の実現の要望を出しています。しかし、それは果たされていません。
今、文部科学省は40人学級を特例的に35人学級、30人学級とすることを認め、それを受け船橋市でも小学校の低学年で35人学級が実施されています。それでは、なぜ教育現場は、少人数学級を求めているのでしょうか。それは、多くの自治体の調査でも、少人数学級の方が子どもの個性に合わせ、きめ細やかな教育ができるとしていること、学力の向上ばかりでなく、生活指導も充実させられるとしているからです。
しかし事実上撤回されたものの、財務省は文科省に対し少人数学級が導入されている小学校の低学年を40人学級に戻すよう求めてきました。その理由は少人数学級と学力向上との間に因果関係は認められないとするものです。また多くの方が「昔の学級はもっと人数が多く、それでも先生は立派な教育をしていた」と述べられます。そうかもしれません。
ですが今、お箸の使い方まで学校で教えなければならないほど、社会はいろいろなことを教育現場に求めています。そして例外はあるものの、教職員は多忙を極めています。先週号にも書きましたが「今の若い者は・・・」などと言わず、国は現場の声に耳を傾けるべきです。