平成二十八年度 第一回定例県議会に向けて

 来月の17日から翌月の17日まで、主に平成二十八年度の予算を審議する県議会が開かれます。県議会の議場で全議員が参加する会議を「本会議」と云いますが、本会議では党や会派を代表して知事や県の執行部への質疑を行う「代表質問」と議員が個人として知事や県の執行部への質疑を行う「一般質問」ができます。

千葉県の民主党の代表質問は昨年の9月議会から、議員それぞれが所属する委員会で懸案、課題となっていることや提言したいことを持ち寄り、それをもとに代表質問者が質疑を行います。昨年の9月、12月議会の民主党の代表質問では、文教常任委員としての私の提言についても質疑されています。

 さて、今年初めてとなる議会の代表質問では、大学、短大、専門学校等に進学する際の、「給付型奨学金制度の創設」などを提言して頂こうと思っています。OECD(経済協力開発機構)加盟34ヶ国のうち日本とアイスランド(大学を卒業するまで授業料は無料)の2か国のみが、国など(日本学生支援機構など)からお金を借りるという貸与型の奨学金制度です。そして日本の大学の授業料はOECD加盟国の中でもトップクラスの高さです。日本の6人に1人の子どもが年収122万円以下の家庭環境にあり、高校を卒業して2人に1人が大学に進学する時代、そのような貧しい家庭環境にいる子どもの大学進学率は、平均を下回り、3人に1人以下という現実です。

私たち現役世代は高齢世代を支え、そして私たちが高齢世代となった時には、次世代の人たちが私たちを支えてくれます。この一連の流れは洋の東西を問わず、太古の昔から続けられてきました。また次世代に余裕がなければ、私たち現役世代を支えるのにあたり、苦労するでしょう。次世代の生活の充実なくして、現役世代の老後の充実は成り立ちません。つまり次世代への子育て支援策、教育環境の整備等は、現役世代の医療、介護とも密接に結びついています。ですから子育て支援策、教育環境の整備等は政治の重要なテーマであり続けます。

 貧困は親から子へと連鎖します。教育は時に貧困から抜け出すのに必要なものとなります。大学を卒業していないと採用されない会社があります。大学を卒業していないと医師や弁護士になるのは極めて困難です。「貧困の連鎖を断つ」、そのためにも「給付型奨学金制度」は必要です。