平等は正義を意味しない -Equality doesn’t mean Justice-

アベノミクスはうまくいっているのでしょうか。確かに円安により日本の輸出品の競争力が高まり一部の品目で輸出が増えた、株高を背景に消費者意識に変化が表れ高額品の購入が増えた、あるいは緊急経済対策による公共工事が増えた等、一部では経済効果があったのでしょう。しかし当初の目的であった、大企業の景気が良くなれば、いずれ中小企業にも経済効果として波及するというのを、日本の全労働者の約7割を占める、中小企業に勤める方々が実感しているのでしょうか。あるいは石破地方創生担当大臣が認めるように「アペノミクスの恩恵が十分に地方に行き渡っているとは言えません」というように、地方には波及しないものなのでしょうか。

約30年前の非正規労働者の数は約600万人、全雇用者の約15%。今は約1900万人、約37%で、しかも毎年増加傾向にあります。また非正規雇用男性の平均年収は225万円、非正規の女性平均年収は143万円であり、結婚の壁とされる300万円を大きく下回り、非婚化、少子化にも拍車をかけています。そのような中、非正規労働者、派遣社員の身分を固定化しかねない「労働者派遣法」の改正が国会で議論されました。現政権で導入された、待遇改善を伴わない「限定正社員制度」、労働を時間ではなく能力で評価し長時間労働、サービス残業を強いる恐れのある「ホワイトカラー・エグゼンプシヨン」等、働く環境を後退させてまで、経済成長をしようとするのは経済・労働政策として間違っています。誰かの犠牲の上に成り立つ経済成長ではなく、待遇改善や賃金の引き上げにより国民が豊かになり、そこで初めて、消費拡大に繋がります。経済成長と国民生活の向上は両立するものです。

今、絡差が拡大しています。世の中は平等にできていません。富める家で生まれたか、貧しき家で生まれたか、男女の違い、学歴、職業、障害の有無。機会の平等が与えられて、誰しもが競争に参加できるとしても、スタートラインが違うのであれば、その競争は公正といえるでしょうか。才能ある者がその才能を使うことを認め、奨励するが、その才能を発揮した結果、得られるものの権利は最下層にいる人のために役立てる。共産主義ではない、それが公正というものです。私の考え方は下の絵の通りです。

種々の違いを乗り越え、生まれて良かったと実感できる社会を築く。そのために、私は格差是正に取り組みます。

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