昨年度、千葉県において、教職員によるわいせつセクハラ行為で懲戒処分を受けた件数は12件でした。そして今年度は、まだ年度半ばであるにもかかわらず、すでに8件の懲戒処分を出しており、極めて深刻な状況にあります。
そのことから、現在開会中の9月定例県議会において、私は「県教育委員会は現状に対して、どのように認識をしているのか。また、教職員によるわいせつセクハラ行為の根絶に向け、今後、どのような取組をするのか」という趣旨の質問をしました。
それに対し、県教育長から「県教育委員会では、リーフレットや実際の処分事例を用いた研修に加え、今年度から弁護士や公認心理師の協力を得て、児童生徒に対する性暴力等の事案について発生原因等の分析を行い、その結果を生かした研修を行っている」「今後も、弁護士等による研修を通じて、不祥事に伴う法的責任の重さを認識させるとともに、教職員相互の抑止力を高めるなど不祥事が起きない職場環境を整備し、県、市町村教育委員会及び学校が一体となって、根絶に取り組んでいく」との答弁がありました。
この今年度から始まった研修の効果については、残念ながら今後を見守るしかありませんが、私は子どもを取り巻く環境のみならず、性犯罪そのものをなくす取り組みも強化しなければならないと考えています。
性犯罪を繰り返す者は、性的な衝動に駆られたら、その衝動を抑えることができず、理性をコントロールできなくなる、「性嗜好障害」の可能性があります。これには精神科等のアプローチが必要になります。
法務省が地方公共団体に向けて性犯罪の再犯防止に取り組むために作成した、「性犯罪の再犯防止に向けた地域ガイドライン」にあるように、「精神保健福祉センター等、医療機関との連携を強化すべき」だと考えます。
「性加害者を治療する」という取り組みは、日本では2000年以降に始まりました。そして精神科等には「認知行動療法」というものがあり、反省するとか、もうやらないと誓うとかではなくて、性犯罪につながる『引き金』を見つけて、それへの対処法を学ぶということが重要だとされています。
また、性犯罪をなくす取り組みと同時に、性犯罪被害者への様々な支援も今以上に強化しなければなりません。
千葉県には、被害者の立場に立ち、24時間体制で様々な支援をするNPO法人「千葉性暴力被害支援センター ちさと」(ワンストップ支援センター)があります。このセンターのさらなる周知と、性犯罪・性暴力被害者の支援体制の強化もしなければなりません。また、性教育を早期から包括的に提供し、性に関する知識を促進する取り組みの強化も重要な課題です。