昨年10月2日発行の「県政改革 性犯罪・性被害者支援について」で「性犯罪、性暴力被害の特殊性、深刻性に鑑み、性犯罪等被害者のためのワンストップ支援センターを各都道府県に最低1箇所は設置し、被害者が被害を受けたときから直ちに必要じゅうぶんな支援を受けることができるようにすべきと考え、県議会(昨年9月開催)で『性犯罪等被害者を支援するワンストップ支援センターの設置等を求める意見書案』を提出」したこと、「私が県の予算委員会でワンストップ支援センターの設置等を含めた、性犯罪・性暴力被害者への支援の充実について、県の執行部と質疑」したこと、予算委員会における私の質疑では県警本部長より前向きなご答弁を頂きましたが、意見書案は「自民党の反対により」不採択となったこと等をご報告しました。ちなみに平成23年3月25日に閣議決定された「第2次犯罪被害者等基本計画」では、ワンストップ支援センターの設置促進の施策が複数盛り込まれています。また、他の都道府県議会では、千葉県と同趣旨の「性犯罪等被害者を支援するワンストップセンターの設置等を求める意見書案」は全会一致で採択されています。
しかしながら性暴力被害者団体の粘り強い努力や、昨年5月に民進党などの野党5党が「性暴力被害者支援法案」共同提出したこと等により、この問題に係る国や地方の状況は変化しつつあります。
たとえば、国においては性犯罪に関する刑法は明治時代の制定以来約110年ぶりに改正され、名称を「強制性交等罪」(本年7月13日施行)に変更し、性犯罪は厳罰化されました。また千葉県においても先月の1日から、共同提出された「性暴力被害者支援法案」の中に盛り込まれている「ワンストップ支援センター」がスタートしました。この「ワンストップ支援センター」では、被害者の方の心身の負担軽減と健康回復をサポートするため、電話相談、面接相談、医療支援、カウンセリング、法律相談などの支援を行っています。この県の支援体制については、わずかですが県から予算も出るようになりました。
性犯罪・性暴力被害者は、被害直後のみでなく、被害後相当な期間が経過しても、様々な困難や苦しみに直面します。被害者は心に大きな傷を負い、その傷を一生引きずることから『魂の殺人』と呼ばれています。また、警察の事情聴取や法廷の陳述が詳細に及ぶことから、被害の記憶がよみがえる『第二の性的被害(セカンドレイプ、セカンドハラスメント)』という苦痛も受けます。しかしながら、被害直後に適切な支援を受けることができれば、それは、その後の回復に大きく寄与すると考えられます。
私は性犯罪・性暴力被害者支援のさらなる拡充を目指しています。
平成29年11月19日 野田たけひこ