性犯罪・性暴力被害者への支援

 性犯罪・性暴力被害者への支援をしている「千葉性暴力被害支援センターちさと」という民間団体のホームページに「性暴力とは、レイプはもちろん、あなたが望んでいないカラダへの接触、性的なおびやかしの行為(露出、のぞき、盗撮、ポルノを見せるなど)すべてです」と書かれています。また「相手がどんな人かは、関係ありません」「相手の年齢も性別も、関係ありません」「性暴力が起こる場所も、関係ありません」、そして「あなたが嫌だと思っているのに強いられる性的な行為は、すべて性暴力なのです。被害にあったあなたは、決して悪くありません」とも書かれています。
 性犯罪・性暴力は被害者の個人の尊厳が冒されるばかりでなく、被害者が自らを個人として尊重されるべきものと思えなくなってしまう程の、重大で深刻な被害を被害者に与えます。また被害者が被害の性質上、支援を求めることをためらうことで、性犯罪・性暴力が事件として顕在化するのは氷山の一角であるとも言われています。性犯罪・性暴力は、被害者が心に大きな傷を負い、その傷を一生引きずることから「魂の殺人」と呼ばれています。また性犯罪・性暴力は、警察の事情聴取や法廷の陳述が詳細に及ぶことから、被害の記憶がよみがえる「第二の性的被害(セカンドレイプ、セカンドハラスメント)」を受ける問題や、法廷で被告側の弁護士が、被害者側に原因があった(性的に挑発的な服装や行動をしていた)かのようなに弁明をし、あるいは被害者側の性的交渉の経歴等を執拗に追求や公表をすることなども、問題とされています。
 民進党は、性犯罪、性暴力被害の特殊性、深刻性に鑑み、性犯罪等被害者のためのワンストップ支援センターを各都道府県に最低一箇所は設置し、被害者が被害を受けたときから直ちに必要十分な支援を受けることができるようにすべきと考え、先月の県議会で「性犯罪等被害者を支援するワンストップセンターの設置等を求める意見書」を提出しました。そして私が県の予算委員会でワンストップセンターの設置等を含めた、性犯罪・性暴力被害者への支援の充実について、県の執行部と質疑しました。
 この「性犯罪等被害者を支援するワンストップセンターの設置等を求める意見書」ですが、残念ながら「北朝鮮による四度目の核実験に抗議する決議」「北朝鮮によるミサイル発射に抗議する決議」などと同じように、自民党の反対により採択されませんでした。これらの意見書などは他の都道府県では、全会一致などで採択されたものです。千葉県の自民党は意見書などの内容ではなく、どこが提出したかが判断基準です。自民党のこの姿勢に怒りを覚えます。

平成28年4月10日       野田たけひこ