想定外 ―12月県議会のご報告― 

 台風の際の風や雨の強さ、地震の際の揺れの強さ等、事前に予想した範囲を越えている時などに「想定外」という言葉が使われます。
森田知事をはじめとする県職員は、災害に備えた「千葉県地域防災計画」等のマニュアルに定められた通りのことを、行わなかったという、それとは違う意味で「想定外」のことが起きました。
災害時には全国どこの知事も県庁等の本庁舎で陣頭指揮を行うことが常識です。しかし、ご承知の通り、千葉県知事は県庁に来ることなく、宿舎である知事公舎を離れませんでした(想定外)。そもそも知事は知事公舎にいなかったのではないかとの疑惑すらあります。それについて、12月4日の会派の代表質問で「(公舎にいなかったではないかという)あらぬ疑いを持たれているのであれば、当日の県警の知事警備に係る記録を公開する等して、この疑いを払拭すべきではないか」という質問をしました。知事は「知事警護の記録は公開できないものとなっている」旨の答弁でした。(台風が去った翌日に県庁に来ても、すぐに「私的視察」に出かけたり、ラジオ番組に出演しようとする等、知事の責務を果たせるか疑問ですが・・・)。
県の防災危機管理部は、知事をはじめとする責任者が、不在の場合においても、業務遂行のための意思決定が行われるよう、権限の委任方法などを定めた「千葉県業務継続計画」を策定しています。知事が(県庁に)参集していない状況で、連絡も取れない場合は、あらかじめ定めた代理者のうち参集した上位の者(1副知事、2防災危機管理部長、3~各部局長)が知事の職務を代理することとしています。ならば、知事を補佐する最上位である副知事はどうだったのでしょうか。
 私は12月16日の総務防災常任委員会で「台風15号襲来時に知事は、参集すべき場所である防災危機管理センターに来ない。直接連絡が取れない。的確な判断ができず、マニュアルに定められた災害警戒体制や応急対策本部の設置指示もしなかったという、まさに『千葉県業務継続計画』にある、職務代理が必要な状況だったのではないか」と質問しました。これに対して県は、「知事は知事公舎にいたので防災危機管理センターに準ずる場所であることや、県職員とは秘書を通してではあるが連絡は取れている等からして、職務代理が必要な状況だったとはいえない」旨の答弁でした。
 そして「千葉県業務継続計画における代理者順序の1位にあり、危機管理を所掌する高橋副知事と滝川副知事は9月8日から台風襲来時の9日未明に、どこで何をしていたのか」も質問しました。これに対し県は「両副知事とも(参集すべき場所である防災危機管理センターに来ず)自宅で待機していた」との答弁で、そもそも両副知事ともに知事の不測の事態に備えていませんでした(想定外)。
この答弁に対し私は、副知事はじめ防災危機管理部長等が知事を補佐して、または知事の職務を代理して災害時の初動体制をつくれなかったことに猛省を促しました。
まずは県庁の意識改革をしなければならないと痛感しているところです。

令和元年12月22日      野田たけひこ