神奈川県相模原市の障害者福祉施設「津久井やまゆり園」で、元職員が入所者を次々と切りつけ、19人の方が亡くなり、26人が負傷するという痛ましい事件がありました。犯人は警察の調べに対し「障害者なんていなくなればいい」という趣旨の供述をしたそうです。
福祉とは、互いに認め、理解し合うことから始まります。人をいたわるには、心にゆとりや余裕といったものが必要なのではないでしょうか。
さて先週は、兵庫県の「譲りあい感謝マーク」を取り上げ、内部障害者や難病患者など、外見からはわからない配慮を必要とする方々が、譲りあい感謝マークのピンバッチやキーホルダーを身につけ、そのような方々を理解し、応援する環境をつくろうとしている活動を紹介しました。
東京都では2012年から「助け合いのしるし ヘルプマーク」を配布、表示の開始が始まりました。「ヘルプマーク」とは、義足や人工関節を使用している患者、内部障害や難病の患者、または妊娠初期の人等は、支援が必要にもかかわらず、周りの方からは見た目だけではわかりません。周りの人に自分が配慮を必要なことを知らせることで、援助を得やすくなるよう作成されたマークです。このマークを身につけている方がいたら、「電車・バスで、席をお譲り下さい」「(事故等に臨機応変に対応できない、歩行等の動作が困難等のため)駅や商業施設などで、声をかけるなどの配慮をお願いします」「災害時は、安全に避難するための支援をお願いします」など、周囲の方々の配慮を呼びかけています。また、カードの裏面には手助けをしてほしい内容が記載されています。記載内容は一人ひとり違います。記載内容にそったちょっとした手助けで障害のある人の安心に繋がるのではないでしょうか。
2016年4月から京都府は「ヘルプマーク」の導入を開始しました。和歌山県・青森県・徳島県も16年度中に導入する予定で、札幌市は導入に向け検討することになっています。
私は、千葉県にもこのような活動を普及し、高齢者や障害者、妊娠中の女性など、あらゆる人々が安心して街に出て、活発に行動できる環境を整えたいと考えています。
平成28年7月31日 野田たけひこ