新型コロナウイルス対策 

 東京や大阪等の4都府県に出されている緊急事態宣言と、千葉県等の首都圏3県や愛知県等7県に適用されているまん延防止等重点措置は、5月11日が期限とされていましたが、延長されることとなりました。
 国の緊急事態宣言発出について、新型コロナ対策分科会の尾身茂会長は「私は公衆衛生専門家として、ここまできたら出すなら早いほうがいいと思う。私見ですけど、最低3週間は必要だと個人的には思います」と話していましたが、国は尾身会長の公衆衛生専門家の意見を取り入れず、期間は17日間としていました。そして、緊急事態宣言の延長については、多くの方々が「やはりな」との感想をお持ちになったことかと思います。
 5月6日現在、国民全体で新型コロナウイルスのワクチンを少なくとも1回摂取した人の割合についてですが、イスラエル62.51%、英国51.26%、米国44.22%、アジア諸国ではインド9.32%、韓国6.89%、インドネシア4・64%、そして日本は1・97%です。
また、イスラエルでは、ワクチンを接種したことを示す証明書「グリーン・パス」(ワクチン接種証明書)を発行し、スポーツジムやイベント会場等での提示を義務づけ、接種率のさらなる向上を目指しています。このイスラエルのグリーン・パス発行を受け、ギリシャではパスを保持するイスラエルからの観光客に対し一時隔離等の措置をすることなく、ギリシャへの渡航を許可する2国間合意を締結しました。
 このワクチン接種証明書の発行は「ワクチン未接種者に対する差別を招く恐れがある」とのことから、その導入に慎重な意見があるものの、イタリアやスペイン等のヨーロッパの観光立国でも導入予定であり、EU共通のワクチンパスポートの導入もすでに議論されています。
 仮に世界の多くの国々で、入国の際や、その国における行動に制限を加えることとなるワクチンパスポートが導入されるのであるならば、日本においても、その導入について早々に議論し、結論を出さなければならないでしょう。
 国もそうですが、地方においても、たとえば兵庫県が突如打ち出した会食時の「飛沫(ひまつ)防止用うちわの配布計画」、奈良県がこの時期にかと批判された「県内の飲食店で使えるGo To イート食事券の追加販売計画」、国から要請するように方針が示され東京都が対応を決めた「ゴルフ練習場やバッティングセンター、遊園地への無観客開催要請」、その効果や意図がよく分からない首をかしげるようなコロナ対策が打ち出されました。
日本においても、ワクチン接種が進むことが望まれますが、横浜市では5月3日、高齢者を対象にしたワクチンの集団接種の受け付けがインターネットと電話でスタートした直後からシステムがパンク状態となり、50分後にストップしました。
感染力が強く、重症化リスクの高い変異株での感染も拡大しています。コロナ禍において多くのものごとが変化していくなか、収束に向けて、国はもちろん地方も冷静になって、しっかりと先を見通した対策をしなければなりません。

令和3年5月9日         野田たけひこ