新年のご挨拶

 新年明けましておめでとうございます。旧年中は大変お世話になり心より感謝申し上げます。本年もご指導・ご鞭撻の程宜しくお願い申し上げます。

温暖な気候と豊かな大地に恵まれた千葉県は、全国有数の農業県であり、平成24年の農業産出額は4153億円と全国第3位となっています。また、大根・枝豆・梨など全国第1位の品目も多数あり、米・花き・畜産についても全国上位に位置しています。かつて千葉県は北海道に次ぐ全国第2位の農業産出額を誇っていましたが、平成17年に茨城県に抜かれて以来、2位に返り咲くことはなく、農業産出額も減少傾向にあります。効果的な施策を展開しなければ、千葉県の農業は衰退します。県議会においても、農業就業者の高齢化と後継者不在、地球温暖化の問題は重要な課題として認識されています。
そしてTPPの問題は本県の農業に多大な影響を及ぼします。しかしながら昨年、皆様ご承知の通り、TPP協定承認についても、国会で十分な審議時間も取られないまま、強行採決されました。
 皆様もご記憶でしょうが、自民党の選挙ポスターに「TPPへの交渉参加に反対!」「ウソつかない。TPP断固反対。ブレない」というのがありました。自民党の選挙公約です。
しかし安倍政権は、この選挙公約を撤回し、平成25年にTPPへの交渉参加を表明します。交渉参加に際しては、コメや麦などの「重要5項目」の聖域確保、十分な情報公開など8項目を政府に求める国会決議がなされます。関税撤廃によって国内産業が「深刻な打撃」を受けることを懸念した上で、重要5項目は「除外又(また)は再協議の対象」とし、「聖域が確保できないと判断した場合、(交渉からの)脱退も辞さない」ためです。しかし、現実にはTPPに「除外」の規定はなく、全ての項目が交渉のテーブルに載りました。そして、重要5項目を構成する594品目のうち、約3割にあたる170品目について関税が撤廃されます。つまり、この国会決議も守られなかったということです。
TPPの問題に限らず、年金カット法案、カジノ法案など国民生活に多大な影響を与える重要な法律案が昨年は十分な審議時間も取られないまま、強行採決されました。これは日本の民主主義にとって好ましいことではありません。
県の課題に向き合うのが県議会議員の役割ですので、今年も「県政改革」では県の課題を中心に取り上げますが、健全な二大政党の存在が日本の民主主義の発展には欠かせないという観点から、国政の問題も時折取り上げさせていただきます。

平成29年1月1日       野田たけひこ