千葉県地方創生「総合戦略」(計画期間は平成27年から31年まで)には、冒頭に知事の「2020年東京オリンピック・パラリンピック競技の本県開催を絶好の機会として捉え、本県の『強み』を生かして、各地域の 活性化を図り、本県の発展の礎となる基盤をつくり上げるとともに、若い世代の希望がかなえられる魅力ある雇用の場の創出や、安心して子どもを生み育てられる環境の整備などに、着実に取り組んでまいります」という挨拶文があります。そして、この総合戦略では「東京オリンピック・パラリンピックを契機とした『世界中から人々がやってくるCHIBA』づくり」を戦略の中心に据えており、県が東京オリンピック・パラリンピックに寄せる期待が並々ならぬものであることが伺えます。
さてオリンピック憲章には「オリンピズムの根本原則」が定められており、それには「このオリンピック憲章の定める権利および自由は人種、肌の色、性別、性的指向、言語、宗教、政治的またはその他の意見、国あるいは社会のルーツ、財産、出自やその他の身分などの理由による、いかなる種類の差別も受けることなく、確実に享受されなければならない」と書かれています。私も、もちろん東京オリンピック・パラリンピック開催のためのインフラ整備や開催による経済効果などは大いに期待しています。また、このオリンピズムの根本原則の精神が広く普及することも真に願っています。
そこで、6月定例県議会における民進党の代表質問の原稿を書いた際には、オリンピズムの根本原則の精神を念頭に『東京オリンピック・パラリンピック開催に際して、国内外から本県を訪れる障がい者に本県の《おもてなし》の心が十分に伝わるか、いささかの危惧を持っている。』『《おもてなし》とは心を込めて接待することだが、それをするには相手の立場に立って、相手の心に寄り添うことが肝要だ。そのためには相手のことをよく理解する必要がある。』『障がい者への誤解や偏見は、障がい者への理解不足に起因するものが往々にしてある。障がい者への誤解や偏見をなくし、共生社会を目指すには、教育現場における障がい者理解教育の推進が重要である』という趣旨の質問を代表質問者にして頂きました。
そして、これに対する県の答弁は「東京オリンピック・パラリンピックを契機とし、障がい者スポーツを通した地域の人々との交流の機会も設けるなどして、より一層、障がい者理解の推進に努める」というものでした。
障がい者差別の問題のみならず、世の中にはヘイトスピーチ、セクハラ、いじめ、高齢者虐待など嫌な言葉が氾濫しています。五輪のマークは、世界五大陸を五つの重なり合う輪で表現したものであり、平和の発展を願ったものでもあります。私は、東京オリンピック・パラリンピックを機に「オリンピズムの根本原則」の精神を広めたいと考えています。
平成29年7月23日 野田たけひこ