新年明けましておめでとうございます。今年もまた旧年同様、ご指導ご鞭撻を心よりお願い申し上げます。
総務省の調べによりますと、今は若者の初就職の約4割(男性・約3割、女性・約5割)が非正規雇用という時代です。そして、その約65%が、正規雇用の平均年収の半分を下回る収入であり、またその約25%は年収127万円以下の、いわゆる「相対的貧困」といわれる収入しかありません。また親が貧困だと、子どもの教育にお金をかけることができず、子どもも将来、貧困になるという「貧困の連鎖」も問題になっています。
音楽家・ベートーヴェンの格言で「努力した者が成功するとは限らない。しかし、成功する者は皆努力している」という言葉があります。確かにいい大学に進学するにも、いい会社に就職するにも、また社会で成功するにも、激しい競争に打ち勝って来なければなりません。そのためには、相当な努力が必要です。
「成功する者は皆努力している」の言葉通りに、非正規雇用の若者の中にも、並々ならぬ努力によって、いずれ成功する人も出てくるでしょう。それは努力というよりも、苦労といってもいいかもしれません。
また、裕福な家か貧しい家か、健康かハンディを持っているかなど、人生のスタート地点における圧倒的な差、つまり「運」によって、努力も全く違うものになってしまいます。「努力した者が成功するとは限らない」の言葉通り「頑張ればできる」というものではありません。
努力は必要です。しかし「努力が足りないから貧困になった」「貧困は自己責任だ」といえるでしょうか。「相対的貧困」や「貧困の連鎖」の問題を解決すること、すなわち「格差の是正」をするには、様々なハンディを少なくし、努力が報われる社会をつくる必要があります。
2015年、国連で全会一致で採決されたSDGs(持続可能な開発目標)では「誰一人取り残さない」ことを目指し、2030年までを達成期限として17の目標を掲げています。目標の第1は「貧困をなくそう」です。このSDGsの取り組みについては、千葉県でも県内企業等における、具体的な取り組みを後押しするために「ちばSDGsパートナー登録制度」を令和3年よりスタートさせています。
そして私は、県内企業に、この「ちばSDGsパートナー登録制度」を通して、格差の是正、同一労働・同一賃金の実現、正規雇用の拡大、物価高に対応した賃上げ等を要請する所存です。
末筆ながら、今年一年が皆様にとりまして幸多き年となりますよう、微力ながら尽力しますこと、お誓い申し上げます。