皆様ご承知の通り私の兄、野田佳彦が民進党の幹事長に就任致しました。それについては予想通り、マスコミあるいは身内である民進党内からも多くの批判が出ています。兄本人も批判にさらされることは、もちろん分かっていました。それを重々承知の上、この難しい局面で大役を引き受けました。私は政治の世界に入った時から、いつ、いかなる状況になろうとも兄を支える覚悟を決めましたが、兄が幹事長の重責を担い、まさに「泥をかぶる」覚悟である以上、私も身を引き締め、これまで同様、兄を支えて参ります。「籠(かご)に乗る人、担ぐ人、そのまた草鞋(わらじ)をつくる人」、籠を懸命に担ぐ兄の足元がおぼつかないようでは困りますので、「是非に及ばず」私も丹精込めて草鞋をつくる覚悟です。
有名なところで、米国には共和党と民主党、英国には保守党と労働党が切磋琢磨してそれぞれが政権を担ってきた歴史があります。日本ではごくわずかな期間を除いて、ほぼ自民党のみが政権を担ってきました。今後も自民党にとって代わり、政権を担える政党が現れるには、相当の時間がかかると思います。自民党以外に政権を担える政党がない。これは日本の民主主義にとって不幸なことではないでしょうか。
今、民進党に向ける国民の目が厳しいのは承知しています。国民の世論を形成する上で、重要な役割を担うマスコミの多くも自民党寄り。各種業界、経済諸団体、地域の自治会、町会の各種行事等でも、自民党議員を当然のように呼んでも、民進党議員は呼ばないというのも、よくあること。政治活動をする上でも民進党議員は自民党議員より、明らかに不利なのです。
民進党は当面、批判の対象となり続け、民進党内も相も変わらず、ガタガタすることでしょう。みっともない、情けないことかもしれませんが、批判を真摯に受け止め、方向性について議論のできる政党です。偏った政治思想、特定の宗教に基づき多様性を認めにくい政党や、最終的には自民党の補完勢力になってしまうような政党では、おそらく二大政党制の一翼を担うことはできません。
「民と共に進む」政党をつくる。「崖っ縁」で「火中の栗を拾う」ような、いつも損な役ばかり回ってくる男を支える。これもまた県議会議員である私の役割です。
平成28年9月25日 野田たけひこ