気候変動について

昨年は「観測史上最強クラスの勢力」の房総半島台風(台風15号)と、台風としては初めて「特定非常災害特別措置法」の適用を受けた東日本台風(台風19号)、さらに、総降雨量が200㎜を超え、わずか半日足らずで平年の10月の1ヶ月分の降水量を上回る「記録的な大雨」となった10月25日の豪雨、千葉県はこれらの災害に立て続けに襲われ、甚大な被害に遭いました。
今年の7月もほぼ1ヶ月間、九州や中部地方等、全国各地で「記録的短時間大雨」が降り、熊本県を中心に甚大な被害をもたらした令和2年7月豪雨がありました。そして梅雨明け早々の8月4日には、全国の70%以上が気温30℃を超える真夏日となり、翌5日には大分県日田市で36・7℃、岐阜県大垣市で36・5℃を記録する猛暑となりました。お亡くなりになられた方々にお悔やみ申し上げますとともに、新型コロナウイルスの感染防止を図りながら猛暑の中、復旧を進めておられる被災者の皆さまの一日も早い復旧、生活の再建を心よりお祈り申し上げます。
気象庁の研究によれば台風は、将来的に「熱帯低気圧全体(台風)の発生数は減少または変化しないものの、強い熱帯低気圧(台風)の発生数は増加し、その最大風速や降水強度が現在より増加する可能性が高い」と、その大型化を懸念しています。また、大雨は日本全国で1時間に50㎜以上の短時間の強い雨を記録した回数は、1976年から1985年の9年間で年平均226回であったものが、2009年から2018年の9年間では年平均331回と、約1.4倍に増えています。猛暑についても、日本の平均気温は、1899年(明治31年)以降では100年あたりおよそ1.2℃の割合で上昇しており、気温の上昇にともない熱帯夜(夜間の最低気温が25℃以上の夜)や猛暑日(最高気温が35℃以上の日)は増え、冬日(1日の最低気温が0℃未満の日)は少なくなっています。また日本の気温上昇は世界の平均以上なのですが、それは日本が地球の温暖化により、気温の上昇率が高くなるとされる、北半球の中緯度に位置しているためと考えられます。ちなみに、銚子地方気象台の観測データでは、年平均気温は100年あたり1℃上昇し、千葉県近海の平均海面水温平年差は、100年あたり0.7~0.9℃上昇しているそうです。
 台風の大型化、豪雨の頻発、猛暑日の増加等は気候変動によるものだといわれていますが、気候変動は米、野菜、果物、魚介類等、農林水産業に、また森林や河川、湖沼、そこに生息する多様な動植物などの自然生態系にも悪影響を及ぼします。
 私は災害を防ぐ防災力の強化に、これまで同様、力を入れて取り組みます。それと並行して災害を激甚化、頻発化させている気候変動、環境問題にも、これまで以上に力を入れて取り組んでいく所存です。

令和2年8月16日        野田たけひこ