水道の話 その1

 皆様が毎日使っておられる水道の水、この水の水質を維持したり水量を確保したり、また上水道料金の徴収をするのも県の仕事です。意外と知られていませんが、県が家庭向けの上水道に関連した業務を担うのは、東京都、神奈川県などの一部の例外を除き、全国的には珍しいことです。

 千葉県には茨城県との境に利根川、東京都との境に江戸川があり、県北部はその水の利用で上水道事業を行うことができます。しかし県南部の南房総地域や九十九里地域には上水道事業を行うのに適した河川などの水源がありません。上水道事業を行うのに適した河川などの水源がない、これは急峻な山を持たない千葉県の特徴かもしれません。南房総や九十九里の地域に、はるか彼方にある利根川の水を引く、そのためには巨額な投資が必要でした。ですから千葉県では市町村が広域的に連携(南房総広域水道事業団、九十九里地域水道事業団等)し、県の協力のもと上水道事業を行ってきました。ただし例外もあり、八千代市や習志野市(一部は県営水道)などは市独自に上水道事業を行っています。それは上水道料金にも影響し、八千代市が1㎥当たりの家庭用水道料金88.55円なのに対して、南房総地域にある勝浦市の1㎥当たりの家庭用水道料金は264.55円で、勝浦市民は八千代市民の約3倍の水道料金(家庭用)を支払っています。ちなみに船橋市は市独自に上水道事業を行っておらず、上水道については「千葉県水道局」県営水道で、1㎥当たりの家庭用水道料金は132.00円、県内平均の183.32円より安い、上水道料金については比較的恵まれた市であるといえましょう。

 さて私は昨年の5月15日、知事からの辞令を受け、千葉県水道事業運営審議会委員を拝命し、千葉県の水道事業について審議しています。昨年の12月17日にも審議会が開かれ、県内水道の統合・広域化についても話し合われました。報道等でご承知かもしれませんが、船橋市や千葉市、市川市等、県内11市に上水道を供給している「千葉県水道局」県営水道と「南房総広域水道事業団」、「九十九里地域水道事業団」とがまずは経営統合、その後、事業統合する方針が示されています。

私は審議会で南房総や九十九里の地域に安定的に水を供給する、あるいは県内水道料金の平準化は必要だが、統合・広域化にあたって、現在の県営水道11市の水道料金の値上げとならないような方策をとるよう、強く求めています。