前号に引き続き、今回も水道について皆様にお知らせ致します。ご承知の通り、どれだけ水を使ったかということは、どれだけ水を流したかということで、下水道使用料は上水道の使用量に基づいて決められています。また上水道事業は千葉県が、下水道事業は船橋市が担っています。そして上水道料金は県から、下水道使用料は市から、それぞれからの請求書が皆様のもとへと送られてきます。上水道事業と下水道事業は別事業です。しかし上水道料金と下水道使用料は密接に関係することから、その徴収業務を一元化すべきだという意見がありました。そうすれば県や市が手掛けている料金徴収に係る請求書の発送も2ヶ所からではなく1ヶ所となり、それにかかる職員の数も減らせる。請求書も2枚ではなく1枚となり、それに係る送料などのコストも削減できる。利用者も納付が1回で済む。など一元化によるプラス効果が期待できます。
そして、10年程前から千葉県水道局と千葉県水道局から上水道の供給を受けている船橋市を含む県内11市で、徴収一元化へ向けての話し合いが持たれてきました。一昨年の3月に千葉市、市原市、成田市、鎌ヶ谷市の4市は県と合意し、2年後の平成30年1月から徴収一元化がスタートします。それに伴い現在、共同でシステム開発が進められています。
船橋市が、なぜ県と平成30年1月からの徴収一元化を合意できなかったかというのには訳があります。船橋市下水道総務課によりますと「船橋市の下水道利用料の徴収単価は1件当たり248円で、県水道局の給水区域11市の中で最も低い。これに対し県は277円の負担額を提示。一部業務は市側で継続する必要もあり、一元化に伴う経費が徴収率向上による増収分を大幅に上回ることを懸念する。」また、県が「下水道使用料の賦課に関する行政権限の委譲は受けない。」と表明していることについて市は、「地方自治法などに違反する疑いが発生する。」と指摘しました。現状で合意するには、「法令順守の観点で不適切。」と判断したためです。その一方で市は、「将来的に法的疑義が解消されるなど、徴収業務の遂行に支障がないと確認された場合は参加を再検討する。」とのことでした。
昨年の12月17日に開催された千葉県水道事業運営審議会では、船橋市の意見を代弁し、県に利用者や市町村の負担とならないような条件提示を求め、引き続き合意交渉するよう強く求めました。
※訂正とお詫び
前号の「水道の話 その一」の文中の㎡という単位を間違えておりました。
正しくは、㎥です。訂正してお詫び申し上げます。ご指摘ありがとうございました。